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家造り
「家造り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家造りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
この一軒屋は、その江見の浜の波打際に、城の壁とも、石垣とも、岸を頼んだ若木の
家造り、近ごろ別家をしたばかりで、葺いた茅さえ浅みどり、新藁かけた島田が似合おう....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
だるまでもいそうな料理店、子供の集まった駄菓子屋などが眼にとまった。ふと見ると平
家造りの小学校がその右にあって、門に三田ヶ谷村弥勒高等|尋常小学校と書いた古びた....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
茂した良材の得やすいためであろう、そうして頻繁な地震や台風の襲来に耐えるために平
家造りか、せいぜい二階建てが限度となったものであろう。五重の塔のごときは特例であ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
、鷺栖の阪の北、香具山の麓から西へ、新しく地割りせられた京城の坊々に屋敷を構え、
家造りをした。その次の御代になっても、藤原の都は、日に益し、宮殿が建て増されて行....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
源泉小学校は大伝馬《おおでんま》町の裏にあって、格子戸がはまった普通の
家造りで、上って玄関、横に二階をもった座敷と台所。たぶん台所と並んだ玄関の奥へ教....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
しないと見えて、門は傾むき屋根は崩れ凄まじいまでに荒れていた。――見たこともない
家造りである。 「ご免! ご免!」 と案内を乞うた。誰も答える者がない。ジョン....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
すが、当節は追々開けてまいり、仕合せの事には大火という者が頓とございません、是は
家造りが石造或は店蔵に成ったり、又は煉瓦造に成りましたので、マア火事がございまし....
「平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
まず新山校に別れを告げて、坂道にかかった。ここの家並みは昔の宿場の面影をとどめた
家造りがちらばっている。 うねうねたる笹谷の街道である。村から遠ざかるとみんな....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
間の駅で、一体が繁昌しない土地であったらしい。僕の泊まった旅籠屋はかなりに大きい
家造りではあったが、いかにも煤ぼけた薄暗い家で、木曾の気分を味わうには最も適当な....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
惚している。 それを、上目づかいの頤で下から睨上げ、薄笑をしている老婆がある、
家造りが茅葺ですから、勿論、遣手が責めるのではない、姑が虐げるのでもない。安達ヶ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
、普通世間にて方角について吉凶を吟味するは人の知るところなるが、引っ越しの方角、
家造りの方角等、いずれの方角にしても、知らず識らずあしき方角に当たることあり。か....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
されて、都あたりから、糸毛の輦に※たけた麗人が、萩を分けて通ったこともありそうな
家造りなのである。又八はその無門の門を通って中へ入り、秋草の中に埋まっている離亭....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
まま」 「――御免」 武蔵は、箱段を上って、家人の導くままに歩いた。 ここの
家造りは変っていた。階段から階段へ、上へばかり登って行くのである。赤城坂の崖へ依....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
より幾つか上らしく、そしてこの家のある所は、南八丁堀の、とある新道で、小粋な二階
家造り。障子明りに、雪を持った松の影が映っていた。 「昨夜は、思わぬお世話になり....