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「家郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

家郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
その他にも、いろいろある。ふいと酒を飲みたくなる。トマトを庭へ植えようかと思う。家郷の母へ、御機嫌うかがいの手紙を書きたくなる。これら、突拍子ない衝動は、すべて....
虚構の春」より 著者:太宰治
私めに顔たてさせ然るべしと存じ候。『われひとりを悪者として勘当《かんどう》除籍、家郷追放の現在、いよいよわれのみをあしざまにののしり、それがために四方八方うまく....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
昧ふかく、詩にはおなじみの、 |霜満秋気清 数行過雁月三更 越山併得能州景 遮莫家郷|憶 の詩があり、歌には、 ものゝふのよろひの袖を片しきし枕にちかき初雁の....
帰去来」より 著者:太宰治
上様を思い、私めに顔たてさせ然るべしと存じ候。『われひとりを悪者として勘当除籍、家郷追放の現在、いよいよわれのみをあしざまにののしり、それがために四方八方うまく....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
姿が目さきにちらちらいたし(女々しと笑いたもうな)候。同僚の前ではさもあらばあれ家郷思遠征と吟じて平気に澄ましておれど、(笑いたもうな)浪さんの写真は始終ある人....
創生記」より 著者:太宰治
ト明朗、粛然ノ謝辞ノミ。シカルニ、此ノ頃ノ君、タイヘン失礼ナ小説カイテ居ラレル。家郷追放、吹雪ノ中、妻ト子トワレ、三人ヒシト抱キ合イ、行ク手サダマラズ、ヨロヨロ....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
聖降誕祭らしいことを考えたり、または低声でありし昔の降誕祭の話を――それには早く家郷へ帰りたいと云う希望が自然と含まれているが、その希望を加えて話したりしていた....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
らん、というのである。 この歌は旅中の歌だから、他の旅の歌同様、寂しい気持と、家郷(妻)をおもう気持と相纏っているのであるが、この歌は客観的な写生をおろそかに....
風俗時評」より 著者:豊島与志雄
いる。伝統的に自然の息吹きに感染しすぎている。だから、明媚な風光に接する時には、家郷的な親しみが深く、おのずから保養的な気分に静まることが多い。自然を享楽する意....
三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
た友人で仔細ないのだ。」 阮東は、友の范志清を呼んで、張達に紹介し、それから、家郷のことをいろいろ尋ねました。 張達のいうところに依りますと、四年前、阮東が....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
存外当っている点がある。 五 私が東京に来て、連れて来た父がまだ家郷に帰らぬうちから、私は東京語の幾つかを教わった。醤油のことをムラサキという。....
故郷〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
家郷忘じ難しという。まことにそのとおりである。故郷はとうてい捨てきれないものであ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
話。――学資を十分に取って、吉原で派手をした、またそれがための没落ですが、従って家郷奥能登の田野の豊熟、海山の幸を話すにも、その「入船帳」だけは見せなかった。も....
西航日録」より 著者:井上円了
一、二あり。 紅海書懐 紅海尽頭風月幽、亜山埃水入吟眸、客身已在天涯外、遮莫家郷憶遠游。 (紅海の懐いを書す 紅海の尽きるあたり、風も月もほのかに、亜の山....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
外、秋晴れの下を歩けば、黄ばんだ木の葉が風もないのに落ちて音をたてる。思い出すに家郷の山はすでに春もおわり、緑の重なるうちにほととぎすが鳴いているであろう。) ....