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「容体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

容体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
った。「それには入院おさせになった方が便利ではないかと思うんです」自分は多加志の容体《ようだい》はSさんの云っているよりも、ずっと危《あやう》いのではないかと思....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ばかりで、ほとんど一週間と経たない内に、もう今日《きょう》か明日《あす》かと云う容体《ようだい》になってしまいました。 するとある夜の事、お栄のよく寝入ってい....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
れ、大《おおい》に驚きて云いけるは、「如何ぞ、「るしへる」なる事あらん。見れば、容体《ようだい》も人に異らず。蝙蝠《かわほり》の翼、山羊の蹄《ひずめ》、蛇《くち....
或る女」より 著者:有島武郎
びしさはたとえようがなかった。 愛子は葉子が入院の日以来感心に毎日訪れて貞世の容体を話して行った。もう始めの日のような狼藉《ろうぜき》はしなかったけれども、そ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
てな。河野でも承り及んで、英吉君の母なども大きにお案じ申しております。どういう御容体でいらっしゃりまするか、私もその、甚だ心配を仕りまするので、はあ、」 「別に....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
珠、銀簪、銀煙管なんかを、一つ二つずつ置いて、羊羹色した紋付を羽織って、ちょっと容体ぶったのがチョコンと坐っている。女や田舎ものらが通りかかると、先に男がいくば....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
で、こう小児のように、手で取っちゃ見さしっけ。 上へ手を上げさっしゃるのも、御容体を聞くにつけ、空をつかんで悶えさっしゃるようで、目も当てられぬ。 それでも....
海の使者」より 著者:泉鏡花
ぶく白泡が立ったのを、ひょい、と気なしに被ったらしい。 ふッ、と言いそうなその容体。泡を払うがごとく、むくりと浮いて出た。 その内、一本根から断って、逆手に....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
された、法学士の方は、別に聞いた沙汰なしかい。」 「先方でもね、お稲ちゃんがその容体だってのを聞いて、それはそれは気の毒がってね――法学士さんというのが、その若....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
道もあるよ。」 とばかりで、上目でじろりとお立合を見て、黙然として澄まし返る。容体がさも、ものありげで、鶴の一声という趣。※き騒いで呼立てない、非凡の見識おの....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、やた一きめていた処でございましてね。 ちょっと私の懐中合と、鋳掛屋風情のこの容体では、宿が取悪かったんでございますよ。というのが、焼山の下で、パッと一くべ、....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
生兼小使、と云うが、それほどの用には立つまい、ただ大食いの食客。 世間体にも、容体にも、痩せても袴とある処を、毎々薄汚れた縞の前垂を〆めていたのは食溢しが激し....
黒百合」より 著者:泉鏡花
のであろう、お雪は袖で顔を蔽うて俯伏になった。 「どうしたならどうしたと聞くさ、容体はどうです目が見えないか、と打出して言えば可い。何だって、人を試みるようなこ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
度三度、月の内に枕が上らない日があるようになった。 扱帯の下を氷で冷すばかりの容体を、新造が枕頭に取詰めて、このくらいなことで半日でも客を断るということがあり....
活人形」より 著者:泉鏡花
せる写真を打返して、頻りに視めていたりけり。先刻より死骸の胸に手を載せて、一心に容体を伺いいたる医師は、この時人々を見返かえりて、「どうやら幽に脈が通う様です。....