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「容姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

容姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
たりした。木部の全霊はただ一目《ひとめ》でこの美しい才気のみなぎりあふれた葉子の容姿に吸い込まれてしまった。葉子も不思議にこの小柄な青年に興味を感じた。そして運....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
っしゃいますの……そりゃまあ」 女中は茶を注ぎながら、横目を働かして、おとよの容姿をみる。おとよは女中には目もくれず、甲斐絹裏の、しゃらしゃらする羽織をとって....
人間灰」より 著者:海野十三
、こんな風に名乗りをあげたが、これは工場主とはちがって、すこし才子走っているが、容姿端麗なる青年だった。 「一体どうしたのかネ」と署長は無遠慮な声を出した。 「....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
は、いつとなく、銀座や新宿のカフェ街に出入することを覚えてしまった。彼の男らしい容姿と、豊かなポケット・マネーは、どの店でも女給達をワッワッと騒がせずには置かな....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
れないようでしたが、恰度そばに居合わせた私の同僚で夏目ってのが、どんな女だって、容姿から名前まで聞くんです。で、こうこう云う女だって云うと、その女なら、前に放火....
紅玉」より 著者:泉鏡花
薄の彼方、舞台深く、天幕の奥斜めに、男女の姿|立顕る。一は少紳士、一は貴夫人、容姿美しく輝くばかり。 二の烏 恋も風、無常も風、情も露、生命も露、別るるも薄、....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
はしなかった。 しかもその際ヒルミ夫人は、その温容なマスクの下から、夫万吉郎の容姿や挙動について、鵜の毛をついたほどの微小なことにも鋭い観察を怠らなかった。も....
転機」より 著者:伊藤野枝
ばたで、子供を遊ばせている老婆に私はまた尋ねた。老婆はけげんな顔をして私達二人の容姿に目を留めながら、念を押すように、今私のいった谷中村という行く先きを聞き返し....
白い下地」より 著者:泉鏡花
くの字なりになって、右手を斜に高く挙げて、ばらふの櫛を取って、透かして見た。その容姿は似つかわしくて、何ともいえなかったが、また其の櫛の色を見るのも、そういう態....
獄中消息」より 著者:大杉栄
の色は決して麗わしくはありません。その声音も決して妙なるものではありません。その容姿もまた決して美なるものではありません。しかし何だかなつかしいのはこの鳥です。....
人造物語」より 著者:海野十三
新聞が独逸から招聘したレマルク君は、日本に初めて来た人造人間であるが、一番美しい容姿を持っている。テレボックスの如きは、これに反して、最もグロテスクな姿をしてい....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ぜいの木樵を辺境におくり、教師を田舎に出している。クレーン(鶴)という苗字は彼の容姿にぴったりしていた。背は高いが、ひどく細く、肩幅はせまく、腕も脚も長く、両手....
中支遊記」より 著者:上村松園
、雲林寺という風で、従って仏像も沢山見た。実に沢山ある。だがそれは数ばかりでその容姿風貌には日本の仏像のように尊いところがなかった。これらの仏像がつくられた頃か....
古事記」より 著者:太安万侶
に、太子のオホサザキの命がその孃子の難波津に船つきしているのを御覽になつて、その容姿のりつぱなのに感心なさいまして、タケシウチの宿禰《すくね》にお頼みになるには....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
時、いつも掌を合せる。観音は私達の生活の護りの母です。 観音のスマートで清麗な容姿を私達の生活に加えるだけでも、どれほど美感に恵まれた家庭生活となるか知れませ....