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「容色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

容色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ら》になって、時々|洛中《らくちゅう》をさわがせている事、そうしてまた、日ごろは容色を売って、傀儡《くぐつ》同様な暮らしをしている事――そういう事が、だんだんわ....
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
くとも数年はラッサに住もうと思っている。それには怠惰の美風のほかにも、多少は妻の容色《ようしょく》に心を惹《ひ》かれているのかも知れない。妻は名はダアワといい、....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
欲望を弱める役に立ったのであろう。しかしそれよりも、主《おも》な原因は、あの女の容色が、衰えていると云う事だった。実際今の袈裟は、もう三年前の袈裟ではない。皮膚....
早春」より 著者:芥川竜之介
ろにしながら、男女三人の子供と一しょにいずれも幸福そうに頬笑《ほほえ》んでいる。容色《ようしょく》はまだ十年前と大した変りも見えないのであろう。目かたも、――保....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。君、僕ン許の妹たちは、誰でもその註文に応ずるように仕立ててあるんだ。 揃って容色も好、また不思議に皆別嬪だ。知ってるだろう。生れたての嬰児の時は、随分、おか....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
世って云うんだ。篦棒奴、娘が可愛ければこそ、己れだってこんな仕儀はする。あれ程の容色にべらべらしたものでも着せて見たいが親の人情だ。誠カチヤを女房にしたけりゃ、....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
若様の御支配遊ばす、わたつみの財宝に望を掛け、もしこの念願の届くにおいては、眉目容色、世に類なき一人の娘を、海底へ捧げ奉る段、しかと誓いました。すなわち、彼が望....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
皆出払います。そうか言うて、東京のお客様に、あんまりな人も見せられはしませずな、容色が好いとか、芸がたぎったとかいうのでござりませぬとなあ……」 「いや、こうな....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
」 と俯向いて、も一つ半纏の襟を合わせる。 十七 「妙齢で、あの容色ですからね、もう前にから、いろいろ縁談もあったそうですけれど、お極りの長し短....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
なった。 (御勝手だ。) (あれ、そのかわりに奥さまが、活きた私におなんなさる、容色は、たとえこんなでも。) (御勝手だ。いや、御法度だね。) (そんな事を言わ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
事が出来た。糸|的の先生、上杉さんは、その様子じゃ大分一雪女史が贔屓らしい。あの容色で、しんなりと肩で嬌態えて、机の傍よ。先生が二階の時なぞは、令夫人やや穏なら....
縁結び」より 著者:泉鏡花
瓢箪のようなのがシテをする。根占の花に蹴落されて色の無さよ、と怪んで聞くと、芸も容色も立優った朝顔だけれど、――名はお君という――その妓は熊野を踊ると、後できっ....
親ごころ」より 著者:秋田滋
迎えようとしていた。そして自分の妻になる女を両親に引き合わせた。気だての優しい、容色もなかなかいい女だった。 老人夫婦が代って自分たちの永い永い間の心痛と苦労....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
いな殊勝な心懸、自分の望みで大学病院で仕上げ、今では町|住居の看護婦、身綺麗で、容色も佳くって、ものが出来て、深切で、優しいので、寸暇のない処を、近ごろかの尾上....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
とも考えて見た。 同時にフレンチは興味を持って、向側の美しい娘を見ている。その容色がある男性的の感じを起すのである。あの鼠色の寐惚けたような目を見ては、今起き....