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容貌
「容貌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
容貌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いますが、若殿様は中背《ちゅうぜい》の、どちらかと申せば痩ぎすな御生れ立ちで、御
容貌《ごきりょう》も大殿様のどこまでも男らしい、神将のような俤《おもかげ》とは、....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
きんりょう》の地に、王生《おうせい》と云う青年があった。生れつき才力が豊な上に、
容貌《ようぼう》もまた美しい。何でも奇俊《きしゅん》王家郎《おうかろう》と称され....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ほど高く揚った。それは黒と白と市松模様《いちまつもよう》の倭衣《しずり》を着た、
容貌《ようぼう》の醜い一人の若者が、太い白檀木《しらまゆみ》の弓を握って、時々切....
「運」より 著者:芥川竜之介
すから、いくらかせいでも、暮《くらし》の立てられようがございませぬ。そこで、あの
容貌《きりょう》のよい、利発者《りはつもの》の娘が、お籠《こも》りをするにも、襤....
「或る女」より 著者:有島武郎
を感じた。そして運命は不思議ないたずらをするものだ。木部はその性格ばかりでなく、
容貌《ようぼう》――骨細《ほねぼそ》な、顔の造作の整った、天才|風《ふう》に蒼白....
「或る女」より 著者:有島武郎
て相手の視線をはにかみもせず迎えるばかりだった。先方の人たちの年齢がどのくらいで
容貌《ようぼう》がどんなふうだなどという事も葉子は少しも注意してはいなかった。そ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
々には、心の中からわいて出る寛大な微笑の影が、自然に漂っていて、脂肪気のない君の
容貌をも暖かく見せていた。「なんという無類な完全な若者だろう。」私は心の中でこう....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
るまい。 × 愛は自足してなお余りがある。愛は嘗て物ほしげなる
容貌をしたことがない。物ほしげなる顔を慎めよ。 × 基督は「汝....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
で会衆を見下ろしていた。二十八のフランシスは何所といって際立って人眼を引くような
容貌を持っていなかったが、祈祷と、断食と、労働のためにやつれた姿は、霊化した彼れ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
知合いである。彼の名はヤコフ・イリイッチと云って、身体の出来が人竝外れて大きい、
容貌は謂わばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペテロの画像見た様で、太い眉の下....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
何……をするとお思いなさる。 廉平は魔法づかいじゃ。」 と石上に跣坐したその
容貌、その風采、或はしかあるべく見えるのであった。 夫人は、ただもの言わんとし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ません。目鼻立尋常、髭はなく、どちらかといえば面長で、眼尻の釣った、きりっとした
容貌の人でした。ナニ歴史に八十|人力の荒武者と記してある……ホホホホ良人はそんな....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
七、月評に忠実なる事。 八、半可な通人ぶりや利いた風の贅沢をせざる事。 九、
容貌風采共卑しからざる事。 十、精進の志に乏しからざる事。大作をやる気になった....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
光をもって打眺め、「そも御身は何処の者にて姓名は何と言わるる」と言い言いなお身体
容貌を眺め下したり。「何のために宿所姓名を問いたもうか、通り少きこの橋上月をなが....
「活人形」より 著者:泉鏡花
に着くとそのまま、打倒れて絶息したる男あり。年は二十二三にして、扮装は好からず、
容貌いたく憔れたり。検死の医師の診察せるに、こは全く病気のために死したるにあらで....