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「宿る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
た。吃驚仰天した顔をしたが、ぽんと樋の口を突出されたように飛んだもの。 瓢箪に宿る山雀、と言う謡がある。雀は樋の中がすきらしい。五、六羽、また、七、八羽、横に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
するが、ずっとそこから離れた遠方の所で再び生命を喚び覚まされ、かようにして生命の宿る世界の数は増すばかりであると言っている。『しかしかようにして死滅した世界の物....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
美容術というものがあるとすれば、それは精神的教養以外にはないであろう。 顔面に宿る教養の美くらい不可思議なものはない。 精神的教養は形のないものである。した....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た翌日にはかならず雨が降るので、僧も怪しんでそれを諸人に語ると、清浄の仏寺に龍が宿るというのは、さもありそうなことである。そのしるしとして、仏殿の軒に土細工の龍....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
って逃げ去った。 犬妖 林慮山の下に一つの亭がある。ここを通って、そこに宿る者はみな病死するということになっている。あるとき十余人の男おんなが入りまじっ....
春昼」より 著者:泉鏡花
留めた、一切の善男子善女人。木賃の夜寒の枕にも、雨の夜の苫船からも、夢はこの処に宿るであろう。巡礼たちが霊魂は時々|此処に来て遊ぼう。……おかし、一軒一枚の門札....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
事が早く行かない。 いつでも余分のパンをもっていなければいけない。全く雪の中で宿る時には、人夫がいないと、なかなか一晩の焚火がとれない。 腹がへり、身体が参....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
や、やがて越来る川崎の、軒端ならぶる神奈川は、早や程ヶ谷に程もなく、暮れて戸塚に宿るらむ。紫|匂う藤沢の、野面に続く平塚も、もとのあわれは大磯か。蛙鳴くなる小田....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
大池があって、朱塗の船の、漣に、浮いた汀に、盛装した妙齢の派手な女が、番の鴛鴦の宿るように目に留った。 真白な顔が、揃ってこっちを向いたと思うと。 「あら、お....
海の使者」より 著者:泉鏡花
りと薄墨色して、瀬は愚か、流れるほどは揺れもしないのに、水に映る影は弱って、倒に宿る蘆の葉とともに蹌踉する。 が、いかに朽ちたればといって、立樹の洞でないもの....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
石川台町なる、上杉先生の門下の才媛なのである。 ちょっとした緊張にも小さき神は宿る。ここに三人の凝視の中に、立って俥を呼んだ手の、玉を伸べたのは、宿れる文筆の....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ッとりした沼地のような所でその皮を脱ぎすてる……。』 問『竜神さんの分霊が人体に宿ることは、今日では絶対に無いのでございますか?』 答『竜神の分霊が直接人体に宿....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
目見たのは、頭禿に歯豁なるものではなく、日の光|射す紫のかげを籠めた俤は、几帳に宿る月の影、雲の鬢、簪の星、丹花の唇、芙蓉の眦、柳の腰を草に縋って、鼓草の花に浮....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
るべからずと信ずるのである。乃至一草一木の裡、あるいは鬼神力宿り、あるいは観音力宿る。必ずしも白蓮に観音立ち給い、必ずしも紫陽花に鬼神隠るというではない。我が心....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
爪に爪が酬い 憎みに憎みが来るように 垢はまた垢を呼ぶ 垢にはまた バチルスが宿る バチルスは またこころを むしばむ かくて 最初は窪んだだけのこころ つい....