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「宿下り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿下りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
朱日記」より 著者:泉鏡花
衣と飛びまする処を、今日あたりはどういたして、また襯衣に股引などを貴下様、下女の宿下り見まするように、古葛籠を引覆しますような事でござりまして、ちょっと戸外へ出....
人間灰」より 著者:海野十三
ないのかネ」 「一人いたのですが、前々日に親類に不幸があるというので、暇を取って宿下りをしていました。だから当夜は家内一人きりの筈です」 「何という名かネ。もっ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
知で住み込んだものばかりですから、別に苦労とも思わなかったのです。お近さんなどは宿下りで自分の家へ帰ったときに、それを自慢らしく両親に吹聴し、親たちも一緒になっ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いうのも腑に落ちねえことなんですからね。少し気味がわるくなって、ひと晩でいいから宿下りをさせておくんなせえましとお願いに参ったんでござんす。ところが変なことに、....
山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
が育てた旗本公子という名前が、ひそやかなあこがれとなっていたとみえて、その日も、宿下りに名を藉りてお城をぬけ出した奥女中たちが、三|艘の舟に美しい顔を並べ、土手....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
知れた日にア実に困るから、他に知れんようにして私も会いたいと思うから、来年三月|宿下りの折に、又例の亀井戸の巴屋で緩くり話を致しましょう」 女「宿下の時と仰しゃ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
らも、飛ぶ鳥を落すような、土部さまなどは、御殿に上ってお居《い》での御息女が、お宿下りのお日に当るとかいうことで、初日、正面の桟敷《さじき》を、御付込みになりま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、酒井左衛門尉の御寵愛《ごちょうあい》を蒙《こうむ》った尤物《ゆうぶつ》が、いま宿下りをして遊んでいることだ、それは佐内町の伊豆甚《いずじん》という質屋の娘で、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら思いついたのは、酒井左衛門尉の御寵愛を蒙《こうむ》った尤物《ゆうぶつ》が、いま宿下りをして遊んでいることだ。それは佐内町《さないちょう》の伊豆甚という質屋の娘....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
何うも御前、世の中には種々の気性の方もあったもので、瀧村殿には僅に三日や四日のお宿下りに芝居はお嫌い、花見|遊山などと騒々しいことは大嫌いで、只|緩々と変ったお....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
一事が万事、丁稚奉公は義理にも辛くないとは言えなかったが、しかしはじめての盆に宿下りしてみると、実家はその二三日前に笠屋町から|上ノ宮町の方へ移っていました。....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
あった。で、家斉はどうがなして、お杉の秘密を知ろうとした。 ある日お杉は偶然、宿下りをした召使の口から、市中の恐ろしい噂を聞いた。それは「夫婦斬り」の噂であっ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
一旦、上ってしまうと、町方たあちがって、なかなか、男など近づけるところでないし、宿下りは年に二度さ、だから――」 南玉が 「そこを一つ、若旦那、お由羅さんの兄....
或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
一部であって、為時は今、地方官として赴任中、留守であるが、式部はしばらく中宮より宿下りして実家の此の部屋に逗留しているところ。几帳、棚、厨子など程よく配置されて....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
すと、喜んで直ぐ同意いたしました。 お梶さんは自分の姉さんが急病のため、四五日宿下りしていたが、病人も快くなったし綾子さんの事が気になるので、明日あたりはお屋....