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宿引き
「宿引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
強い男じゃろう。日本の耶蘇教信者は殴られても泣笑いをしてペコペコしている。まるで
宿引きか男めかけのような奴ばっかりじゃ。耶蘇教は日本まで渡って来るうちに印度洋か....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
。私が吉田へ着いた時は午を過ぎていた。どの宿という心当りもなかったが、無作法なる
宿引きが、電車の中の客席へ割り込んで、あまりにツベコベと、一つの宿屋を吹聴するの....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
に整った市街の玄関を控えていると思っていた。降りて見ると、改札口につきものの嫌な
宿引きさえ一人もいない。それは心持よいが、タクシーもなく、激しい速力で昨夜から、....
「嵐」より 著者:寺田寅彦
始めてこの浜へ来たのは春も山吹の花が垣根に散る夕であった。浜へ汽船が着いても
宿引きの人は来ぬ。独り荷物をかついで魚臭い漁師町を通り抜け、教わった通り防波堤に....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ゃんと波止場のそばに停泊しているのだ。ところが、その波止場には、税関吏、運送屋、
宿引き、烏貝《ムウル》売り、憲兵、人足、小豆《あずき》拾い、火夫、人さらい、トー....
「西航日録」より 著者:井上円了
天。風やや暖かなれば、昼食後、汽車に駕してウォータールー古戦場を訪う。停車場内に
宿引きあり、強売あり。強売者は一種の乞食にして、絵葉書の類を強売するなり。その状....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
したいな」 「ふざけるなよ」 船から町へ入る旅客の通り道に、ここでも抜け目なく
宿引きや土産物屋が関を作っている。 鉄槌を担いでいる鍛冶屋の徒弟は、そこでまた....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
しい灯が日和佐川に映っている。宿の中を通っている街道には、ひとしきり荷駄の鈴や、
宿引きの女の声や、さまざまな旅人の影が織っていた。 四国二十三番の札所薬王寺に....