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宿志
「宿志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿志の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
》を着替え、元のように風呂敷包を仕舞って寝ようと思いましたが、これまで思い付いた
宿志《しゅくし》を遂げないから、目は倒《さか》さまに釣《つる》し上り、手足は顫《....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
なり。梵訳の四十二章経も、ようやく今の一切経に及べり。これが、翁が、その頃よりの
宿志にして企望せしところなり。世に良沢という人なくば、この道開くべからず。されど....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を受け、江戸両国橋で小熊と兎角立ち会い、小熊、根岸兎角を橋上から川へ押しおとして
宿志をとげた。
根岸兎角は、師の諸岡一羽のもとを逐電《ちくでん》して、はじめ相....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
他の途は凡て塞がれている。 それもよろしい。この土地に別れを告げることが、私の
宿志ではなかったか。西湖を銭塘江岸へと展開させないところに杭州の頽廃があるとは、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
みたが、苦心をしただけに、すぐに厭気がさす。なぜというに、小説を書くことは自分の
宿志に背くと思ったからである。そして反省する。反省に反省を重ねて、その苛責に悩む....
「新疆所感」より 著者:日野強
棠の※言大に力ありしにあらざらんや。 しかれども露国の執拗なる、一頓挫のために
宿志を放棄するものにあらず、鋭意イリに対する施設経営の歩武を進め、露国の勢力がイ....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
。かゝる程に、大敵外よりあらはれ、北条氏は秀吉の為に亡ぼされたり。かくて、三楽の
宿志は、思ひがけずも、秀吉によりて達せられたるが、三楽其人は、あくまでも不運の英....
「京都学校の記」より 著者:福沢諭吉
べきの道あらざるなり。 民間に学校を設けて人民を教育せんとするは、余輩、積年の
宿志なりしに、今、京都に来り、はじめてその実際を見るを得たるは、その悦《よろこび....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
か否かは別としても、ともかく、京都からIという陶家を鎌倉に招き御大層な窯を築き、
宿志なれりと考えられたのである。しかし、その束の間は実に数旬を出なかった。ついに....
「三国志」より 著者:吉川英治
の」 「なんですか」 「実は、愛児の病も癒え、山野の雪も解けはじめたから、多年の
宿志たる上洛の兵を催して、一挙に曹操を平げようと思い立った。――ところが、臣下の....
「三国志」より 著者:吉川英治
、一日、曹操と打ち解けて、また軍事を談じたとき、あらためてこういった。 「多年の
宿志を達して、いまこそ私は名君にめぐり会ったここちがしています。粉骨砕身、この上....
「三国志」より 著者:吉川英治
はないか」と、万丈の気を吐いた。 孫権は、歩隲の策を容れた。そう運べば、多年の
宿志も一|鼓して成るべしと、すぐさま呉の代表を送って、曹操に書簡を呈し、魏呉不可....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
」 これを聞くと官兵衛は、もう一子との離別などは、問題でない心地がした。積年の
宿志が届いて信長から直接、この誓約を得たからには、もはや実現を見たように、瞼の熱....