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宿料
「宿料〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿料の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
か。そのため赤井は寮費を滞納して、寄宿舎を追い出され、鹿ヶ谷の下宿へ移ったが、下
宿料が後払いだったのに油断して、家から送って来た金を全部その女に注ぎ込んでしまっ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
接に送ったのが失敗なのだ。 それから、妻と主人とお袋とで詳しい勘定をして、僕の
宿料やら、井筒屋へ渡す分やらを取って行くと、吉弥のだらしなく使ったそとの借金ぐら....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
女房の保子を四谷の家に一人置いて、最初は番町のある下宿屋の二階に、そしてそこを下
宿料の不払で逐い出されてからは、本郷菊坂の菊富士ホテルというやはり下宿屋に、伊藤....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
寝だもの」 学生は十七、八人来ていた。六十円を前借りすることに決めて、汽車賃、
宿料、毛布、布団、それに周旋料を取られて、結局船へ来たときには、一人七、八円の借....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
い。我々はアイノ人のように段々奥へ奥へと追払われるのだ。 ▲親から貰う学費で下
宿料を払ってる時代はノンキに人形町の夜の景色を歌っていられるが、扨て職業となると....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
籠町の青柳という旅店に一泊した。その夜賊のためにのこらず金子を奪われて、明る日の
宿料もない始末。七日十日|逗留して故郷へ手紙を出した処で、仔細あって送金の見込は....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
流水の如く生きようという心掛であるからビクともしない。尤も私に怒ると転居されて下
宿料が上らなくなる怖れがあるから、そういうところは抜目がなくて、私にだけは殆ど当....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
いっしょに宿屋に残っていた。ある朝かれが帰って来ると、宿の亭主がとどこおっている
宿料を要求したことを話した。かれがわたしに金の話をしたのはこれが初めてであった。....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
こにいたが、それからはいなくなったと言った。その宿屋の亭主は、あいつには一週間の
宿料の貸しがあるから、あの悪党、どうかしてつかまえてやりたいと言っていた。 わ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
つても、家主から立退料をせしめることができる時代であつてみれば、宿屋といえども、
宿料を滞らせた客だからとて、追い出すからにはそれ相当の立退科を出して然るべき筋合....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
崩れた壁より、もの寂しい。……第一石油の底の方に淀んでいる。……そうでしょう、下
宿料が月の九つ以上も滞った処だから、みじめな女郎買じゃないけれども、油さしも来や....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
今度ね、商売に出てきたんだが、……千円ばかしの品物を持ってきたんだが、……だから
宿料の点はだいじょうぶだから、四五日君の処へ置いてくれ」 「ではとにかく来たまえ....
「西航日録」より 著者:井上円了
シーズンと称し、市内のホテルたいてい旅客充満して、ほとんど空室なし。したがって旅
宿料廉ならず。余はあまたのホテルを照会して、ようやく最廉のものを得たり。すなわち....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
とは気がつかない。ぶっきらぼうで、ぶあいそうな客だとはおもうが、なにしろ先払いで
宿料に二枚の金貨をわたしている。わるい気もちはしなかった。 (あの人はかわいそう....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
日のように額を集めては、何十万とか何百万とか途方もないことばかり口走っていたが、
宿料の方はかさむ一方だった。しかしそのうちにどういう話合いになったものか、或る日....