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「宿望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
彼らは今日この頃、バブルから、身体内景の有様を新しく聞いていたので、腑分に対する宿望は、更に油が注がれたように燃えていた。 ことに、玄白は腑分ときくと、自分の....
さようなら」より 著者:田中英光
なう大破局に発展してしまった。 敗戦と同時にぼくは会社を馘《くび》になったが、宿望の文学生活だけにうちこめると気負いたった気持だったのに、苦労しぬいてきた女と....
え゛りと・え゛りたす」より 著者:辻潤
ことになった。まったく棚ボタである。寝耳に水である。しかし、時節が到来して多年な宿望が達せられたわけだ――しかも自分のと名のつく金でだ――まったく人間万事|塞翁....
獄中記」より 著者:大杉栄
中略) 「兄の健康は如何に。『パンの略取』の進行は如何に。僕は出獄したらすぐ多年宿望のクロの自伝をやりたいと思っている。今その熟読中だ。」 それからもう出獄近....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
う了見になったと見える。 それに相違ない、神尾の著作といったのは、かねてよりの宿望で、自分の父祖から、わが身の今日までの自叙伝を一つ書いて置きたいという、その....
美しい村」より 著者:堀辰雄
初夏に、一度、この高原の村に来てみたいものだと言っていましたが、やっと今度、その宿望がかなった訣《わけ》です。まだ誰《だれ》も来ていないので、淋《さび》しいこと....
木の十字架」より 著者:堀辰雄
れをはじめて聴いたのである。 それから、その夏(去年)軽井沢へ往ったときは漸く宿望の蓄音機をもっていけたので、私の好きなショパンの「前奏曲」やセザアル・フラン....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
完成に余念がありませんでした。もしこれがうまく栄冠を担えれば彼にとっては、年来の宿望に向って第一歩をふみ出すことになるのです。ネルロはこの企てを誰にも言いません....
獄中消息」より 著者:大杉栄
る。 兄の健康は如何に。『パンの略取』の進行は如何に。僕は出獄したらすぐに多年宿望のクロの『自伝』をやりたいと思っている。その熟読中だ。 枯川のイタリア語の....
丹下左膳」より 著者:林不忘
宮づかえを許さず、ふたたび山河浪々の途にのぼって、まず生を神州にうけた者の多年の宿望をはたすべく、みちを伊勢路《いせじ》にとって流れついたのがこの山田の町であっ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
とに決めた。 次に、各工場の職長に日本一の技術者を招聘したいという私のかねての宿望を実現することになり、二月初旬には日本菓子部に荒井公平、洋菓子部に高相鉄蔵、....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
題に気焔を吐きもしようし努力もするだろうが、暫らくしたら多年の抱懐や計画や野心や宿望が総て石鹸玉の泡のように消えてしまって索然とするだろう。欧洲戦が初まる前まで....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
の登路を変更して、林治を案内として中又川を登ることに決定した、さていよいよ多年の宿望を果す日が来たかと、早朝に起きて見ると快晴である、急いで結束していざ出発とな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ドイツ参謀本部最初の論争戦であったフリードリヒ大王の研究を必要とし、且つかねての宿望であったナポレオンを研究し、大王の消耗戦略からナポレオンの殲滅戦略への変化は....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
なかったあの白兀の絶巓なのだ。三日間山の上の苦しい旅を重ねて、明日は愈二年越しの宿望であった「大窓から劒岳に登る」ことが出来るのであると思うと、標高僅に二千三百....