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宿無し
「宿無し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿無しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
蝶《もんしろちょう》が一羽、気楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょうから
宿無し犬になるのか?」
白はため息を洩《も》らしたまま、しばらくはただ電柱の下....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
頼んだ身請けの相談ではあるが、こうなると八橋も考えなければならなかった。第一には
宿無しの次郎左衛門に自分のからだを任せたくはなかった。それも自分の前で正直にそれ....
「芽生」より 著者:島崎藤村
洗濯したりした。 「あれ黒がいけません」 こう言いながら、お菊は穢《きたな》い
宿無し犬に追われて来た。 「菊ちゃん、早く逃げていらッしゃい……なんだってそんな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
み死に死んでしまったのです。遠国の者ではあり、下谷あたりの木賃宿にころがっている
宿無し同様の人間ですから、死ねば死に損で誰も詮議する者もない。心柄とは云いながら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぶらぶらと迷い歩いている。その風体がここらの漁師ともみえなかった。さりとて普通の
宿無し乞食とも思われない。まずは一種の気ちがいか、絵にかいてある仙人のたぐいかと....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たしは「本日ゆず湯」のビラをなつかしく眺めながら、湯屋の新しい硝子戸をくぐった。
宿無しも今日はゆず湯の男哉 二十二日は寒い雨が降った。二十三日は日曜日で晴れて....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
にしても先度の触れ渡しの趣意が徹底しないのは、遺憾であるというので、さらに領内の
宿無し又は乞食のたぐいに対して、三日以内に他領へ立退くべきことを命令した。その期....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
をふるわす)物ほしそうな顔をして、人目をおそれて裏口から忍び込もうとするものは、
宿無し犬のようだと言った。おゝこの墨染めの衣を着て、顔を赤くして、おどおどと裏口....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、建築中の家や、橋の下などで、巡邏《じゅんら》の警官らから当時毎年拾い上げられた
宿無しの子供は、統計によると平均二百六十人くらいはあった。それらの巣のうちで有名....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に対する広告とされていたその着物も、今ではぼろとなっていた。
その後彼らは、「
宿無し児」という統計のうちにはいることとなり、パリーの街路の上で、警察から調べら....
「吝嗇神の宿」より 著者:坂口安吾
たくなる風態だ。オメエが工場長に面会して、ただいまシナから引揚げて参りましたが、
宿無しですからどうぞ夜番に使って下さい、と頼んでみろ。願ってもない奴がきたと大喜....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
なしだよ。ルンペンだよ」 小沢はひょいと言ったが、さすがに弱った声だった。 「
宿無しだよ。ルンペンだよ」 と、語呂よく、調子よく、ひょいと飛び出した言葉だが....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
が、みなそれぞれ不幸な運命のもとに生まれた人ばかり、白髪の老人や、切髪の奥様や、
宿無し児や若い娘などもおります。私といつも一緒に畑に行く人は気狂いで時々無理をい....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
たしは「本日ゆず湯」のビラをなつかしく眺めながら、湯屋の新しい硝子戸をくぐった。
宿無しも今日はゆず湯の男哉 二十二日は寒い雨が降った。二十三日は日曜日で晴れて....
「天を怖れよ」より 著者:小川未明
するために、連れて行くのを往来などで遊んでいて見た時、飼主の無情より捨てられて、
宿無しとなった毛の汚れた犬が、犬殺しに捕えられた時、子供等が、これ等の冷血漢に注....