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「宿痾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿痾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
宜をケンペルに与えたのである。大坂奉行の屋敷では、ケンペルはその奉行から十年来の宿痾に悩まされていまだに全快しないでいる家人のあることを告げられ、どうしたらそれ....
白藤」より 著者:宮本百合子
るくないかと頻りに気をつかわれた。どうして気味などわるかろう。私は母と同じ種類の宿痾からそうやって苦痛と闘っていられる姿を全くひとごとならず感じた。 それは、....
解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
喜二が築地署で拷問のために虐殺された。つづいて、野呂栄太郎が検挙され、このひとは宿痾の結核のために拷問で殺されなくても命のないことは明白であると外部でも噂されて....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
彼の厄難屡来りて遂に貧に陥り、居るに家無く、着るに衣無く、喰うに食無く、加うるに宿痾に侵され、或は軽蔑せられ、人生に望を失うものより甚きはなからん。而して其由来....
菜穂子」より 著者:堀辰雄
作品もあまり発表せられなくなっていられた森さんは、古い北京の或物静かなホテルで、宿痾《しゅくあ》のために数週間病床に就かれたまま、何者かの来るのを死の直前まで待....
楡の家」より 著者:堀辰雄
品もあまり発表せられなくなっていられた森さんは、古い北京の或る物静かなホテルで、宿痾《しゅくあ》のために数週間病床に就かれたまま、何者かの来るのを死の直前まで待....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
だった。)――ずいぶん馬鹿げたことをやって、また昔からの病気にかかってしまった。宿痾《しゅくあ》の肺炎が再発したのであって、広場の市時代からかかり始めたものだっ....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
くして後の月 より江 三 境遇個性をよめる句 須磨の山荘に久しい宿痾を養っているせん女氏には病の句が沢山ある。 病んでさへおればひまなり菊の晴れ....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
味し、纒めるよりほかなかった。恐らく、いろ/\な疎漏があると思う。それに、年来の宿痾が図書館の古い文献を十分に調べることを妨げた。なお、戦争に関する詩歌について....
国枝史郎氏の人物と作品」より 著者:小酒井不木
が国枝史郎氏の作品に接したのは今から五年ほど前である。その頃私はパリーで再発した宿痾を郷里へ持ち帰って、ずっと寝床の上に居たが、講談倶楽部に連載された氏の作「愛....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
先代市馬 庭の無花果《いちじく》の葉を、朝に晩に採っては、煎じて、飲んでいる。宿痾《しゅくあ》の痔疾には無花果の葉が、何よりよいとて、先代柳亭市馬が、かねがね....
小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
とに危篤のまま四谷南寺町七番地の自宅に送られ、同日午後十一時ついに永眠せられた。宿痾の動脈硬化症による心臓麻痺のためである。遺族、近親は遺骸を二階十畳の間に安置....
正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
、有島、芥川の二氏の如く決然自殺をするような熱情家ではあるまい。数年来わたくしは宿痾《しゅくあ》に苦しめられて筆硯《ひっけん》を廃することもたびたびである。そし....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
いでいるであろうが、今もって原因の推測が皆目つかぬには、困っている。棚田判事は、宿痾の療養のため、一昨年十一月休職、故郷の大村市に引き籠って、静養に努めていた。....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ドに対比せしめて、次のように指摘した。イングランドの財源を枯渇せしめている目下の宿痾は、アイルランドの反乱であるが、それを完全に掃蕩する唯一の望みは、スペインと....