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「宿銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が、優しゅうなり出したとならば、女子よりも優しゅうなる性ゆえ怕がらないでもよい。宿銭も二三百両が程は所持致しておるぞ。どうじゃ、泊めて見るか」 「いえ、あの相済....
十二支考」より 著者:南方熊楠
謝絶した。次に貧家へ頼むと、女房至誠懇待到らざるなかったので、翌朝厚く礼を述べ、宿銭持たぬは残念と言うと、金が欲しさに留めたでないと言う、因って神に祈って、汝が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
故、厚く礼を言って、それから伝馬町の横町の木賃宿へ夜になると泊ったが、しまいには宿銭から食物代がたまって、払いに仕方がないから、単物《ひとえもの》を六百文の質に....
立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
うにそう云うことを定めております、今晩の回向料が二百匹、案内の男が四百文、それに宿銭が三百文、この他に後の回向をお頼みになるならお志しだいでいたします」 小八....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
「いいえ、お一人のお客様には難有過ぎましたほど儲かりましてございまする。大抵のお宿銭ぐらい頂戴をいたします勘定でござりますから、私どもにもう一室、別座敷でもござ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
るのであるが、飯だけは、船に附いている竈で、家来に焚《たか》せる。だから川止めで宿銭をドシドシ取られるような苦痛は無いが長くなると食料を買込む位の費用はかかる。....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
」と上さんは口の中でつぶやいた。「ひどい貧乏人と見える。夕食の代も持っていない。宿銭だけでも払えるかしら。でもまあよく床に落ちてた金を盗もうとしなかったものだ。....
家なき子」より 著者:楠山正雄
道を歩いても同じことであった。どこへ行っても食べるには金が要るし、宿屋へとまれば宿銭を取られる。それにねむる場所を見つけるくらいはたいしたことではなかった。この....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
国へ帰ったと云うから、跡を附けて来て見ると、沼田から三里も引込んだ処とは知らず、宿銭を遣って長い間捜し、漸々突留めてお掛合をすると、そんな御挨拶、又阿魔女も阿魔....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
いぶ整理することが出来た。 行乞の功徳、昨日は銭四銭米四合、今日は銭二銭米五合、宿銭はどこでも木賃三十銭米五合代二十銭、米を持っていないと五十銭払わなければなら....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ころは、六里にしても、足を痛めて馬、籠などに乗るな、駕人足一人前の賃で、十五文の宿銭が出る。夜は必ず、御岳講か、浪花講へ泊れ」 「それが、ようがす、宿のことなら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
とこの時には千円あるいは二千円、多い時には五千円位の収入もある。 しかし僧侶は宿銭は自分で払わなくちゃあならん。それとても沢山じゃあない。普通の僧侶なれば一人....
世間師」より 著者:小栗風葉
費もすっかり払きつくしてしまった。町へ着くには着いても、今夜からもう宿を取るべき宿銭もない。いや、午飯を食うことすらできないのだ。昨夜は夜通し歩いて、今朝町の入....