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「寂光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寂光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
なりひら》こそ、天晴《あっぱれ》知識じゃ。われらも穢土《えど》の衆苦を去って、常寂光《じょうじゃっこう》の中に住《じゅう》そうには伊勢物語をそのままの恋をするよ....
尼提」より 著者:芥川竜之介
ものだ。一たび如来のお弟子《でし》となれば、永久に生死《じょうじ》を躍り越えて常寂光土《じょうじゃっこうど》に遊ぶことが出来るぞ。」 尼提はこう言う長者の言葉....
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
》の三道は、法身般若外脱《ほっしんはんにゃげだつ》の三徳、娑婆《しゃば》世界は常寂光土《じょうじゃつこうど》にひとしい。道命は無戒の比丘《びく》じゃが、既に三観....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
夕日に跪伏する。回教徒が夕日を礼拝するように仏教徒は夕日にあこがれ、西方に金色の寂光が降りそそぐ弥陀の浄土があると考えている。日蓮聖人が朝日を拝して立宗したのは....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
驚いてしまった。「だが、仏像に関する三十二相や密教の儀軌についての話なら、いつか寂光庵で聴かせられたと思ったがね」 「いや、同じ彫刻の手でも、僕はロダンの『寺院....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
もありません。したがって厭うべき娑婆もなければ、往くべき浄土もありません。娑婆即寂光、娑婆こそそのまま浄土です。「無明なく、無明の尽くることなく、老死なく、老死....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》を頂いた「我不愛身命」の残骸が下に、残る所の一面には、「但惜無上道」が冷々たる寂光を浴びて、空を制してそそり立っているばかりです。 「あ!」 と言ったのは清澄....
雪の宿り」より 著者:神西清
世界との間には、どういう関わりがあるのかと思ってみる。これは修羅の世を抜けいでて寂光の土にいたるという何ものかの秘やかな啓しなのでもあろうか。それでは自分も一応....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
の梢の車道 智月 これを見てあれへはゆかん山桜 りん女 数年前の春だった。寂光院へいそぐ道すがら、次第に山深くいにしえの大原御幸道にわけ入った時、ふと傍ら....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
もなかったのだ。その三十分後には、法水麟太郎と支倉検事の二人が、北多摩軍配河原の寂光庵に到着していて、まさにそこで、疑う方なく菩薩の犯跡を留めている二つの屍体に....
うつす」より 著者:中井正一
久しうして去ったという。すなわち、鏡のごとく磨かれたる壁にはあい面して描かれたる寂光の土がうつしだされて、あまつさえそこに往来する王様の姿もが共にあい漾映して真....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
れるんだなあ。彼は確かに金は溜まっているね」 そして斜に丘へ射し渡る秋の夕陽の寂光にすかして彼はあらためて自分の掌を見入るのであった。....
私を語る」より 著者:種田山頭火
も持っていない。私は私に籠る、時代錯誤的生活に沈潜する。『空』の世界、『遊化』の寂光土に精進するより外ないのである。 本来の愚に帰れ、そしてその愚を守れ。 ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
慈悲に溢れ正義に溢れる世の中になりますから、万人の幸福でもありましょう。これを常寂光土とも極楽とも言います。けれども悲しいかな私たちは、その宇宙生命のほんの一部....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
板囲いの隙間から、直下の砂浜を差し覗いた――この驚駭、この動顛、この大畏怖、この寂光。 何とこの無人の、原始の、海獣の渾沌世界の、狂歓の、争闘の、蕃殖の、赤裸....