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「寂静〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寂静の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
インドラの網」より 著者:宮沢賢治
た。 天の子供《こども》らは夢中《むちゅう》になってはねあがりまっ青《さお》な寂静印《じゃくじょういん》の湖の岸硅砂《きしけいしゃ》の上をかけまわりました。そ....
マグノリアの木」より 著者:宮沢賢治
りた天の鳩。」 諒安はしずかに進《すす》んで行きました。 「マグノリアの木は寂静印《じゃくじょういん》です。ここはどこですか。」 「私たちにはわかりません。....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
かった。が、一歩進むに従って、その音は拡大していって、おしまいには洞窟の中の夜の寂静《じゃくじょう》のうちに、こだまするまでになった。それは、明らかに岩壁に向っ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
、求めても言葉をかわすくらいの間がらになりたいものである。列子とともに風に御して寂静無為を味わうこともできよう、われらみずから風であり、天にも属せず地にも属せず....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を発して死んだところ、従前善法浄行の報いで非想非々想天に生まれ、八万劫の長い間、寂静園中に閑静を楽しんだが、業報尽き已《おわ》ってこの地の答波樹林に還り、著翅狸....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
愛とはその室にありて保たるるのである。 かの仏遺教経の遠離功徳分にあるごとく「寂静無為の安楽を求めんと欲す」る比丘は「当に※閙を離れて独処に閑居し」「当に己衆....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
つけてしまいました。 三十六 弁信法師は、この小孤島のうちに寂静《じゃくじょう》を求めて寂静を得ず、人を待たぬはずの身が、人を待つ心に焦燥を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も流れてはいないのです。でも死んでいるのでないことは、その表情がそれを示します。寂静ではあるけれども、弁信の面の上には、苦痛のあとと悶絶《もんぜつ》の色は現われ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
お着きで」――などと云っていた出女の声も、封ぜられたようになくなって、萩村の駅は寂静となった。 こうして夜が次第に更け、柏屋でも門へ閂を差した。客も家の者も寝....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
込んだのである。 やがて門は内から閉ざされ、松火も隠れ音楽も消え、あたりは全く寂静となった。 だがもし誰か民弥達と一緒に、南蛮寺の寺内へ入って行ったなら、そ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
こっそり姿をひそませて、じっと様子を窺った。船中の唄声はやがて絶えて、また四辺は寂静となった。すると今度は反対の岸――二百間あまりもかけ隔てた対岸の方から幽かに....
剣侠」より 著者:国枝史郎
人、そういう人々の見物の群が、円陣を作って見守っているばかりで、気味悪いばかりに寂静としていた。 二本の刀が山形をなし、朝の黄味深い日の光の中で、微動しながら....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
と読まるる頃には、眠れる街も次第に醒めて、何処ともなく聞ゆる人の声、物の音は朝の寂静を破りて、商家の小僧が短夜恨めしげに店の大戸がらがらと明れば、寝衣姿媚きてし....
五重塔」より 著者:幸田露伴
延の山に螢雪の苦学を積まれ、中ごろ六十余州に雲水の修行をかさね、毘婆舎那の三行に寂静の慧剣を礪ぎ、四種の悉檀に済度の法音を響かせられたる七十有余の老和尚、骨は俗....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
衆を聚めて教化することもできなかったのである。乞食するにしても午前にのみ限られ、寂静の地に修禅するにしても、指定以外の地に遷ることができず、しかもそれらの場合に....