寄る辺[語句情報] » 寄る辺

「寄る辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寄る辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
えなければなりますまい。覆舟口に致しましょう。神枯れて気濁り、家破れて一族四散、寄る辺ない悪運の唇に」 源之丞はいつまでも蹲まっていた。 彫りかけた楠の木の....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
た。 主人も「どうせ子供だね、知れたものだよ」と云って居るので到々広い世の中に寄る辺ないお久美さんは山田の「伯母さん、伯父さん」に育てられる事になった。 お....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
命騒ぎで送金が絶えて困っているということであった。我々は彼が盲人の身で異郷に来て寄る辺もないのを気の毒に思い、かつてボースを匿まった画室に住まわせて、二、三年の....
活人形」より 著者:泉鏡花
れて詮方無く、その夜赤城の家を出で、指して行方もあらざればその日その日の風次第、寄る辺定めぬ捨小舟、津や浦に彷徨うて、身に知る業の無かりしかば、三年越しの流浪に....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、 音「これは私の心ざます」 と云いながら伽羅大尽へ渡すを取上げ読んで見ると「寄る辺なき袖の白波打返し音羽の滝の音も愧かし」という返歌でございまするから、伽羅....
三国志」より 著者:吉川英治
のは聞いたこともない。張飛のことばは無茶である。 「そうではないか! 汝は元来、寄る辺なく、この徐州へ頼ってきた流寓の客にすぎぬ。劉兄のお蔭で、いつのまにか徐州....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
より越前の穴馬まで、知る辺を頼って落ちてゆくところ。――そちも同じ途中と申すし、寄る辺もない身の上とあれば、幸い、ここよりわしらの供をして参らぬか。落着いた上は....