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寄場
「寄場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寄場の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
け》の立ちはじめた時候に相応した新調の着物を着たり着せたりして、打連れて陽気な人
寄場《ひとよせば》などへ入って行った。
行く先々で、その時はまるで荷厄介のよう....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
》が一軒あったのを、私は夢幻《ゆめうつつ》のようにまだ覚えている。こんな場末に人
寄場《ひとよせば》のあろうはずがないというのが、私の記憶に霞《かすみ》をかけるせ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
目を用い、科白には歌舞伎狂言、俄、踊等の状をも交え取った。安政中江戸に行われて、
寄場はこれがために雑沓した。照葉とは天爾波俄の訛略だというのである。 伊原さん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
西洋へおいでなさるのでございます」 バッテーラを漕ぎ出したのはこの二人。人足の
寄場《よせば》であった石川島。敲《たた》きや追放に処せられたもので、引受人がなく....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
比丘尼宿を洩れなく調べましたが、家出した者も駈落ちした者もおりません。……非人|
寄場《よせば》の勧化《かんげ》比丘尼のほうも残らず浚《さら》いましたが、このほう....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
例の権柄面《けんぺいづら》の藤波友衛とせんぶりの千太。 いかに非人《ひにん》の
寄場《よせば》といいながら、よくもまあこうまで集めたと思われるほど、五つから七つ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
受けきれねえような睦《むつま》じい仲なんで。……お静の父親の船宿は、石川島の人足
寄場《にんそくよせば》と小さな堀をへだてて塀ずりあわせになっているんで石川島へ行....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
でね。 隊一 ハハハハ、時に、一|刻《とき》ばかり前に貴公を訪ねて来た上郷村人足
寄場の者だと言った変な男には会ったか? 居ないと言ったら結城の方へ追掛けて行った....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
きなる金精大明神《こんせいだいみょうじん》も見ゆ。『梅見船』第一巻「お房《ふさ》
寄場《よせば》に物の本を読む所」と題したる挿絵もまた妓家の二階にして、「火の用心....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ね。 隊一 ハハハハ、ときに、一|刻《とき》ばかり前に貴公を訪ねて来た上郷村人足
寄場の者だといった変な男にはあったか? いないといったら結城の方へ追掛けて行った....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
黙々と、あとに従っていた。 本野原もすぎて、道は、鷺坂へかかっていた。 馬子
寄場がある。今切藤五が、馬をすすめたが、覚一は、連れになった旅の女性と話が出来な....