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寄寓
「寄寓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寄寓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
になり、政界復帰の機が熟したと見ると、大阪へ電報を打った。 章三は東京の鉱三の
寄寓先へ飛んで来て、三百万円の小切手を渡すといきなり言った。 「先生、何か情報あ....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
哲学者の危急を救い得たことを、無上の光栄のように欣んでいた。 青木が、近藤家に
寄寓して、雄吉と同室に起臥することになったのは、それから間もなくのことであった。....
「家霊」より 著者:岡本かの子
た。彼女はその三年間、何をしたか、どういう生活をしたか一切語らなかった。自宅へは
寄寓のアパートから葉書ぐらいで文通していた。くめ子が自分で想い浮べるのは、三年の....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
みどりは降りる。駅の前を斜に三丁ほど入ったところに彼女の伯母の家があって、そこに
寄寓しているとのことであった。 帆村探偵は、改めて電話を署にかけると、彼等の帰....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
いて自衛手段を講じて居たので、流寓の公卿を養う事が出来た。併し後には、余りに其の
寄寓が多いので費用がかさみ、盛んに、その寺領である諸国の荘園に、用米の催促をして....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
にのぼせられることになっていた。 そのころ臨安府には火災が多かったので、官舎に
寄寓している人びとは、外出するごとに勅諭その他の重要書類を携帯してゆくのを例とし....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
で息が絶えた。 水鬼の箒 張鴻業という人が秦淮へ行って、潘なにがしの家に
寄寓していた。その房は河に面したところにあった。ある夏の夜に、張が起きて厠へゆく....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
は半年あまりで解消になつた。伊藤は蒲田へ移り住むことになり私は新宿のほうの親戚へ
寄寓することになつたのである。新宿へ移つてから従姉のおともなどをして武蔵野館へよ....
「唇草」より 著者:岡本かの子
た。そんな風に尾佐は頼りないので、栖子は尾佐が職業上の助手にするといって、家庭に
寄寓を許した千代重を、自分にも助け舟のように思った。この青年はかつて二、三度学校....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
、御出家からは頂戴致しません」 「ほほう、それは奇特な事ですな」 二人の清僧は
寄寓の寺へ帰りました。そして大得意で茶屋見学の様子を若い僧たちに話して聴かせまし....
「感応」より 著者:岩村透
等は或晩のこと、偶々それを初めたのであった。 この男が、まだ布哇の伯母の家に、
寄寓していた頃、それは恰も南北戦争の当時なので、伯母の息子|即ちその男には従兄に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すと、快く承諾してそのラマ・シャブズン師は家族と共にその家に引き移り私もその家へ
寄寓することになりました。で、その俗語を習う月謝はもちろん私が払いますので、その....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ドン・アントニオを熱烈に支持したために破産して、目下ホルボオン街のロオペ博士邸に
寄寓している。しかるにこの紳士はおのれの旧主ドン・アントニオに対して謀叛の志を生....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
車するに際し、公使館諸氏および諸橋氏の送行を得たり。サンチアゴ滞在中は公使館内に
寄寓するを許されしのみならず、連日多大の厚意をにない、分外の歓待をかたじけのうせ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ものです」 こう言うたのが元大納言の家筋で、今は蛸薬師のある小学校の教師の宅へ
寄寓している「世間知らず千本木室町伯爵」である。 市庁舎を巡回している間に華族....