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寄手
「寄手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寄手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
烈風が砂塵を飛ばして、城攻めには屈強の日と見えた。正辰《しょうたつ》の刻限から、
寄手は、息もっかず、ひしひしと攻め寄った。 神山甚兵衛も、出陣以来、待ちに待っ....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
り少し左に、鶴翼《かくよく》に陣を張った。 この時初めて、将軍から、 「城兵は
寄手《よせて》を引き寄せて、夜を待つように見え候、早く戦いを令すべし」と、いう軍....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
もつかずに攻め立てたので、塁兵遂に崩れた。瀬兵衛も手勢五百を密集させ、真一文字に
寄手に突入って縦横に切って廻るので、
寄手は勢に気を奪われた形である。盛政、徳山五....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
つ密偵は悉く偽りの報告を齎すから、まるで裏をかかれ通しである。 十一月十九日、
寄手の軍は富岡城を攻めた。総軍一万二千分って五軍となす。加津佐の三郎兵衛、口野津....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
が、家康などは可なりうるさがっていたに違いない。 秀忠軍が、上田を囲んだとき、
寄手の使番一人、向う側の味方の陣まで、使を命ぜられたが、城を廻れば遠廻りになるの....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
でなければならない。 山中城に対する襲撃は、三月二十九日の早朝に始まって居る。
寄手は秀次を先鋒にして堀尾吉晴等の猛将が息をもつがせずに急襲した。秀吉は此の時、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。失うものがないから、彼等は恐るゝことを知らぬ。生存競争の戦闘に於て、彼等は常に
寄手である。唯進んで撃ち而して取ればよいのである。守ると云うは、有つ者の事である....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、刃は閃《ひらめ》く、飛び違い走《は》せ違って、また一際《ひときわ》納まった時、
寄手《よせて》の人の影はもう三つばかりに減っています。 島田虎之助はと見れば、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
八重に遣う。感心なことに、皮一重まで持って行って肉へは触《さわ》らせない、それで
寄手《よせて》の連中がひっくり返る。後ろへ廻ってはムクがいる。八面|応酬《おうし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こと。 蟻《あり》のように上りかける人足を片端《かたはし》から突いて突き落す。
寄手がいよいよ多ければ、いよいよ突き落す。裸体《はだか》の雲助が岩の上からバタバ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、いけねえ」 敵に用意のあることを知ったがんりきは、ここで真剣になりました。
寄手《よせて》はもう、ちゃんと手筈をきめて、つまり非常線を張って自分を待ちかけて....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
、明智勢がたじたじとなりましたが、そのうちにそれらの連中が討死しますと、だんだん
寄手の勢いが強くなった。織田信長までが寺の廊下へ現われまして、片はだ脱いで槍を持....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
田甚兵衛、同じく玄札、大矢野作左衛門、赤星宗伴、千々輪五郎左衛門、駒木根八兵衛。
寄手、主立った大名は、板倉内膳正を初めとし、有馬、鍋島、立花、寺沢、後には知恵伊....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
食っている客は少かった。四人は広い二階を我物顔に占領して飲みはじめた。あしたにも
寄手が攻めて来れば討死と覚悟しているのであるから、いずれも腹いっぱいに飲んで食っ....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
一 (これは駄目だ) と正成は思った。 (兵糧が尽き水も尽きた。それに人数は僅か五百余人だ。然るに
寄手の勢と来ては、二十万人に余るだろう。それも笠置を落城させて、意気軒昂たる者共....