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「寄木細工〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寄木細工の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔術」より 著者:芥川竜之介
燈の光と言い、大きなモロッコ皮の椅子《いす》と言い、あるいはまた滑かに光っている寄木細工《よせぎざいく》の床《ゆか》と言い、見るから精霊《せいれい》でも出て来そ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
う。さあ坐りたまえ」とどっちが客だか分らぬ挨拶をする。主人は無言のまま座に着いて寄木細工《よせぎざいく》の巻煙草《まきたばこ》入から「朝日」を一本出してすぱすぱ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
くて、外部から借りて来たものばかりなのだ。そういうものを振り廻して、お前はお前の寄木細工を造り始めるのだ。そしてお前は一面に、悪魔でさえが眼を塞ぐような醜い賤し....
」より 著者:徳田秋声
誌などを片着けていた。静子は含羞んだような顔をして、お増が鞄から出す、土産ものの寄木細工の小さい鏡台などを弄っていた。 「へえ、いいもの貰ったわね。」 お今も....
道標」より 著者:宮本百合子
きれいにこしらえた箱です、そして、それ、秘密のポケットもっていましたね」 「ああ寄木細工の箱だ――貯金箱ですよ」 慎重な顔で内海が、きわめつけた。 「その箱、....
人間腸詰」より 著者:夢野久作
ウかと思われるのをその紳士は何の雑作もなく一人で抱え除けますと、その花瓶の向うの寄木細工の板壁の隅に小さな虫喰いみたいな穴が二つ三つ出来ております。その穴の一つ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
壁が……」 春部が帆村の腕に縋りついた。見るとすぐ傍の壁が煉瓦を積んだなりに、寄木細工を外すようにその一部が引込んで行く。あとには高さ六尺ばかり、人の通れるよ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
って、反抗の声を揚げるのが常則となって居る。かのイエスとても同様の憂目を嘗めた。寄木細工式の繁瑣な神学を捏ち上げた人達、朝に一条を加え、夕に一項を添えて、最後に....
接吻」より 著者:神西清
の息子は、ある痩せほそった娘をさそって、彼女を相手に二まわり踊った。ロブィトコは寄木細工の床のうえを滑るように、藤色の令嬢のところへ急いで行って、彼女と組んでさ....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
待たして置いて、約束があるように云って上り込んで、部屋を探したのだ。所が腰羽目の寄木細工に一ヶ所|手垢のついている所がある。ふと思いついたのが箱根細工の秘密箱さ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。技はなかなか優れているのであります。 神奈川県で第一に推さるべきものは箱根の寄木細工であります。相模の国が吾々にお与えている唯一の立派な手工藝でしょうか。小....
情鬼」より 著者:大倉燁子
いているので室内は一目でよく見えた。長椅子、安楽椅子、壁掛まで全部同色の鼠色で、寄木細工の床の上には処々にペルシャ絨氈が敷いてある。あるものは正方形に輝き、ある....