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「寄道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寄道の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
で自分の着物を畳んだ。それから軽い身仕舞《みじまい》をして、すぐ表へ出た彼女は、寄道もせずに、通りから半丁ほど行った所にある、新らしい自動電話の箱の中に入った。....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
なって来た。しまいには……草川巡査はズット以前から巡廻の途中で、いつも深良屋敷へ寄道をする事にきめていた。そうしてマユミがタッタ一人で留守をしているのを見ると、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て欲しいと思って。――さあ、それでは行きましょうね。」 「私は用があるわ。」 「寄道をするんですか。」 「じゃ……ないけども、これから、この早瀬さんと一議論して....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ていた。 「私の心もおののく。……私はあなたに値しない。あなたは神に行く前に私に寄道した。……さりながら愛によってつまずいた優しい心を神は許し給うだろう。私の罪....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
。然し、まだ開けないうちだった。いきなり、浅川が船長の右肩をつかんだ。 「余計な寄道せって、誰が命令したんだ」 誰が命令した?「船長」ではないか。――が、突嗟....
二重心臓」より 著者:夢野久作
中には貴方の原稿以外に貴重品なんか一つも無いでしょう。……それからね。序に途中で寄道をしてロッキー・レコードへ寄って契約して来ちゃったわ。一個月二百円で……」 ....
高浜虚子著『鶏頭』序」より 著者:夏目漱石
ある。息の塞《ふさが》る様な小説を云うのである。一毫《いちごう》も道草を食ったり寄道をして油を売ってはならぬ小説を云うのである。呑気《のんき》な分子、気楽な要素....
古狢」より 著者:泉鏡花
ですわ。」 「成程、大きに。――しかもその実、お前さんと……むかしの蓮池を見に、寄道をしたんだっけ。」 と、外套は、洋杖も持たない腕を組んだ。 話の中には―....
次郎物語」より 著者:下村湖人
眼をそらして、少しはにかむようなふうだった。 二人は、正木につく前に、ちょっと寄道をして、お民の墓詣りをした。そこでも二人はあまり口をきかなかった。しかし、墓....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
間同じ精力を持続し、少しもタルミなく日程を追って最初の立案を(多少の変更あるいは寄道はあったかも知れぬが)設計通りに完成終結したというは余り聞かない――というよ....