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密
「密〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
れの江戸の町を歩きながら、風呂の中で聞いた悪評を、いちいち彼の批評眼にかけて、綿
密に点検した。そうして、それが、いかなる点から考えてみても、一顧の価のない愚論だ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
っくり合わないような――しかもそのしっくり合わない向うには、私の自覚を超越した秘
密が蟠《わだかま》っているような、気味の悪い心もちがするのでございます。
それ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
言《ことば》を機会《しお》に、
「さてその姫君についてじゃが、予は聊《いささ》か
密々に御意《ぎょい》得たい仔細《しさい》がある。」と、云って、一段とまた声をひそ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ロッコ皮の椅子《いす》を離れながら、無言のまま、彼と握手を交して、それからこの秘
密臭い薄暮《はくぼ》の書斎を更にうす暗い外の廊下へ、そっと独りで退きました。する....
「河童」より 著者:芥川竜之介
、じっと黒いヴェヌスを見つめているのです。
「わたしも実は、――これはわたしの秘
密ですから、どうかだれにもおっしゃらずにください。――わたしも実は我々の神を信ず....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
は一度広島へ来て後《のち》、妹壻の知るべがある予州《よしゅう》松山《まつやま》へ
密々に旅立ったと云う事がわかった。そこで敵打の一行はすぐに伊予船《いよぶね》の便....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いは、結局何の解釈をも与えてくれないのと同様だった。いや、むしろ積極的に、彼女が
密《ひそ》かに抱《いだ》いていた希望、――たといいかにはかなくとも、やはり希望に....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
しかし幸い血の※《におい》よりもロマンティックな色彩に富んだものだった。黄の平生
密輸入者たちに黄老爺《こうろうや》と呼ばれていた話、又|湘譚《しょうたん》の或|....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
嬢さんに遇《あ》ったのはある避暑地の停車場《ていしゃば》である。あるいはもっと厳
密に云えば、あの停車場のプラットフォオムである。当時その避暑地に住んでいた彼は、....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
のですか。」
「理由? 理由はないが、事実がある。僕はただ西南戦争の史料を一々綿
密に調べて見た。そうしてその中から、多くの誤伝を発見した。それだけです。が、それ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
え。」
靴は見る見る底をまくられた。するとそこに縫いこまれた、四五枚の地図と秘
密書類が、たちまちばらばらと床の上に落ちた。二人の支那人はそれを見ると、さすがに....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ずにはいなかったであろう。管鮑の交りは少時問わず、我我は皆多少にもせよ、我我の親
密なる友人知己を憎悪し或は軽蔑《けいべつ》している。が、憎悪も利害の前には鋭鋒《....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
一ならば全国の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて、
密かに我腕を我と握りて打笑みたり。この頃の考えには学者政治家などという区別の考え....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
科学者の中で、特にファラデーを選んだ理由は、第一。それゆえ、伝記を書くにも精
密に書ける。諸君がロンドンに行かるる機会があったら、これらの遺物を実際に見らるる....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
大男のKさんと、奥さんもたまには来られた様であったが、香椎の山奥で作ったと云う水
密桃だの梨だの葡萄だのを市場――筆者の父は青物果実問屋の親爺であった――へ持って....