»
密か
「密か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
を上げた。 僕はなんとなく脱獄囚のような素振りになるのを自分でも苦笑しながら、
密かに夜の城東の一廓に紛れこんだ。幸いに尾行者もない様子で、ホッと胸をなでおろし....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
て行った。それは椋島技師が陸軍大臣と打合わせた手筈により、投獄と世間を偽って実は
密かに某所で作りあげたフォルデリヒト解毒瓦斯であった。勿論、その一隊の誘導機上に....
「赤外線男」より 著者:海野十三
たんです。鬼のような深山は、赤外線利用の技術を悪用して、それまでにも、人の寝室を
密かに写真にとっては、打ち興じていたという痴漢です。しかし飽くまで夫人に未練をも....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
し落着いたのは、それから十日ほど経ったのちのことだった。 真一の屍体は納棺して
密かに火葬場へ送って焼いた。その遺骨はお寺へ預けてしまった。ささやかなる初七日の....
「蠅男」より 著者:海野十三
の中というものは広く且つ深くて、かずかずの愕くべきものが、誰にも知られることなく
密かに埋没されているのである。 この「蠅男」の話にしても、ことによるとわれわれ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
大秘密をつきとめたような気がするんだ。それこそは、この蟻田博士邸内にある最大の秘
密かも知れない。どうやら、これで、この屋敷にがんばっていたかいがあったようだ」
....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
東京の郊外の砧といえば畑と野原ばかりのさびしいところである。そこに三年前から
密かにバラック工場がたてられ、その中で大秘密のうちに建造されていたこのロケット艇....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
は覚えているだろう。新宿の酒場で飲んでいたときフラフラと倒れたことを。あれは僕が
密かに盛った魔薬の働きなのだ。あれで君は仮死の状態になった。恐らく医師が診ても、....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
「どうも僕には、夫人が博士を殺したような気がしないのですよ。夫人はあの外人と、
密かな邪恋に酔っていたでしょうが、いまのところ博士は無能力者であり、自分は誰にも....
「流線間諜」より 著者:海野十三
のだった。ああ、これこそ隠しインキによる暗号文だった! すると問題の燐寸の頭には
密かに隠しインキの現像薬が練りこんであったといえる。密偵団が死力をつくして燐寸の....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
ね天狗の正体を知る者は、天下に唯一人、半之丞自身があるだけだった。 だが彼は、
密かに姿を変え、しばしば巷を徘徊していたので、むかし嗤笑を買った身が、今はあの兇....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
一ならば全国の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて、
密かに我腕を我と握りて打笑みたり。この頃の考えには学者政治家などという区別の考え....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
上して置き、腹心の者にあちらこちらと掘り散らさせ、その後へ又他の腹心を遣わして、
密かに佐渡の金を埋め隠したのじゃ」 「佐渡の金山奉行、大久保石見守という方の噂は....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
郎の胸倉を取って智栄尼は小突き始めた。 金三郎は両手を合せて拝み拝み。 「まァ
密かに。荒立ては万事が破滅、
密かに……頼む……これ、後生じゃ、頼む」 「いや頼ま....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
。本庄は窓際に寄って、体をかたくして坐っていた。運転手と話している会話に耳傾け、
密かにまた彼の腹の中を探っているので、どこを走っているのか、そんな事に注意する余....