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密売
「密売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密売の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
ようになりました。いいえ、はっきり言います。自分はその頃から、春画のコピイをして
密売しました。焼酎を買うお金がほしかったのです。いつも自分から視線をはずしておろ....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
公園の散歩中にもある。それら淫猥の実行は他の方法で取締るのが当然だ。帝都の真中で
密売淫や強姦を十分に取締る事の出来ぬ警察力や、待合の二階で醜業婦共に鼻毛を読まれ....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
。お判りになりますか? つまり深谷氏は、早川と共謀して、外人相手に真珠の密造並に
密売をしていられたんです。そして、この七枚の書類の日附けを、深谷夫人にそれぞれ辿....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
るの大学生に扮して「|円い角」で喧嘩してみたり、タヒチの画家と称して街上に春画を
密売したり、そうかと思うと、セエヌの塵埃船を夜中にせっせと掃除していたり、メニル....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、作病者、恐るべき跛者、時としては女房どもとともに小さな車にのって歩きながら酒を
密売しそれをまた盗み歩くもぐり商人、将校らに案内者たらんと申し出る乞食《こじき》....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
となることがある。烏合《うごう》の衆は民衆に対する裏切り者である。たとえばあの塩
密売者らの長い間にわたる血に塗られた抗議、慢性的に起こった正当な反抗は、いよいよ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
自然にアル・カポネになつちまふやうなものだ。これで禁酒令でもしかれた日には、密造
密売、酒と女、否応なく夜の国の王様に自然に祭り上げられてしまふだらう。 目のあ....
「日月様」より 著者:坂口安吾
も思わなかった。 そして茫然と自分の家へ戻ったが、それから三日目の新聞に、麻薬
密売者の一味があげられたという記事があり、その一人に、王子君五郎という名があがっ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
おりましたが、クツ下、カンヅメ、石ケン、タオル、これを中国人にワタシが売ります。
密売じゃないんでして、ええ、軍の代表なんで。中国人相手のセリ売りにかけてはワタシ....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
吹ッとび、波川はいそいで服を着た。 そのころ、東京横浜を中心に、大口の南京虫の
密売者が現れた。これが凄いような絶世の美女だ。秘密に指定した場所へいずこからとも....
「国境」より 著者:黒島伝治
られて持ちだされてきいたルーブル紙幣は、十二銭内外で、サヴエート国内でただ一カ所
密売買をやっている、浦潮の朝鮮銀行へ吸収されて行った。 鮮銀はさらに、カムチャ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
会計、洗濯女は、患者を掠めて何とも思わぬ。話には前の院長はまま病院のアルコールを
密売し、看護婦、婦人患者を手当次第妾としていたと云う。で、町では病院のこんな有様....
「屍体と民俗」より 著者:中山太郎
と云う迷信も近年まで行われていた。俗にこれを「天印《テンシルシ》」と云い黒焼屋で
密売し、それが発覚して疑獄を起したこともある。または屍体を焼くときこれに饅頭を持....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
のあるサイラスは、いまでも時々ではあるがそれに手をだすので、どうかするとダイアの
密売者とうたがわれたり、また二三の不謹慎な業者は、彼のことを盗品故買者だと蔭でさ....