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密書
「密書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
え。」
靴は見る見る底をまくられた。するとそこに縫いこまれた、四五枚の地図と秘
密書類が、たちまちばらばらと床の上に落ちた。二人の支那人はそれを見ると、さすがに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた。 「なんの為にこんな仕掛けをして置いたのかな」と、松吉は木魚をながめた。「
密書を投げ込む為かね」 「まあ、そうだろう。今も寝道具を調べたら、白粉や油の匂い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そのまま帰って来ました」 半七は舌打ちした。届けにゆく途中で取り押さえて、その
密書を手に入れれば、なにかの秘密をさぐることが出来たのであるが、空手で帰る途中で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をながして澹山を伏し拝んだ。そうしてその報酬として、伝兵衛の手からもいろいろの秘
密書類が澹山に渡された。この一ヵ月のあいだに伝兵衛はおなじ信徒を働かせて、また一....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
危険を覚悟で『狼』の身辺につきまとっている紅子というモダン娘、もう一人は、紅子の
密書を拾って逸早く僕のところへ通報して寄越した真弓という若い女」 「ほほう、
密書....
「地球盗難」より 著者:海野十三
それは危い。ま、待て……」 「貴方は一体何者です。辻川博士の書斎を荒し、そして秘
密書類を勝手に取り出すとは……」 ドクトルは恐ろしい形相をして机の向うをジリジ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
るところを突込《つっこ》んだ。 「そのことかね。それはあの臼井が、いつだったか、
密書《みっしょ》を拾ったんだ。その
密書に簡単ながら、そういう意味のことが書いてあ....
「火薬船」より 著者:海野十三
判を捺しますよ」 そういったのは、竹見の相棒の水夫丸本だった。彼は、竹見から、
密書のついたナイフをなげつけられ、それをうまくうけとった男だ。 虎船長の眼が、....
「獏鸚」より 著者:海野十三
朗かさを加えたのだった。彼は今、話し相手が欲しくてたまらないのだ。 「これは或る
密書の一部分なんだよ」と帆村は遠いところを見つめるような眼をして云った。 「そこ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
を押しあげた。格子は彼の想像どおり、ズルズルと横に滑っていった。 戯れ画か
密書か? 「ウン、占めたぞ!」 帆村は元気を盛りかえした。穴の縁に手をかけると....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
?」「実は」というと平八は、森田屋の側へズイと寄り、「さるお方に頼まれて、大事の
密書を預かっているのだ。渡す相手は赤格子、そこでこんな変装までして、彼奴の行方を....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
でございます。羊皮紙に書かれたあの文字はきわめて簡単でございました。 三回目の
密書を読んだ時私はようやく決心した。球を盗もうと決心した。汽車中の出来事があって....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
に従うことがいかに断然有利であるかを、ゼエムス王に納得させることができた。やがて
密書がゼエムス王と侍史セシルの間を往復し始めた。セシルの手紙は、用心のために、わ....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
とすれば他にもっと重大な問題が必ずあると思いますね。例えば外交上の失敗だとか、秘
密書類をどうかしたとか、また本省の意見なり命令なりに無理がある場合、それを承知で....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
ら間もなく白石さんは確かに自分が総領事から預って、金庫の中へ納っておいたはずの秘
密書類が全部紛失しているのを発見したのです。そのためいま大騒ぎをしているのですが....