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「密約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

密約の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
げく、ようやく仮条約締結の段まで漕《こ》ぎつける。外務首脳部のほかだれも知らない密約である。カイゼルの批准《ひじゅん》を得た草稿を帯びて、厳秘《げんぴ》のうちに....
人間レコード」より 著者:夢野久作
明けない中に東京に着いたんだよ。あの録音の後の方に在った英国、露西亜、支那の三国密約の内容を聞いたので外務省が初めて決心が出来たんだ。大ビラで売国奴の名を付けて....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
っているように思いこんでいるらしかった。そして、いつか二人のあいだに取りかわした密約というようなものでもあって、自分たち二人だけにはわかっているけれど、まわりの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、相互に容赦するという恥ずべき打算から、敵の打撃を免れるために敵と結んだ一種の密約から、奴《やつ》らをなすままに任して黙っていることがなかったならば――もし彼....
文化祭」より 著者:坂口安吾
千四百枚も売れているのである。幹部連、そのうち六割は自分のモウケにして四割提出と密約を結んできたフシがあった。ところが四割だした者は何人もいない。 「実にハヤ、....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
しないから何も聞いて下さるな、知って下さるな、と堅い約束を結ばせた。 いったん密約すればあくまで義理堅いこの社会であるから、喜兵衛にも分らぬように行われた恋人....
百喩経」より 著者:岡本かの子
めてしまった猫のような青年紳士は蜘蛛の糸の研究者で内地レントゲン器械製造会社との密約者。 眩しいような白と萌黄の午前服で男を圧迫しながらマーガレットは爪磨きを....
志士と経済」より 著者:服部之総
志士が井伊を討った上ただちに横浜の焼討をするという密策――これは江戸でできた水薩密約覚書中にある――の後半部すなわち横浜攘夷について、国臣はじめ西国志士は反対意....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
手町との間を往復した。 かくて、左京之介と、鴻山と、弦之丞との間に、なんらかの密約が成り立ったらしい。 ある日である。 月はじめの如月日和。 ひそかに、....
三国志」より 著者:吉川英治
この太守|張※の許へ身を寄せてしまった。 一方。 北平の公孫※は、「かねての密約」と、これも袁紹の前言を信じて、兵を進めて来たが、冀州はもう袁紹の掌に落ちて....
三国志」より 著者:吉川英治
「帰途ひそかに江夏へおもむき、玄徳と対面して、よく利害を説き、彼に援助を与える密約をむすんで来ます」 「玄徳を援助したら、曹操は怒って、いよいよ鋭鋒を呉へ向け....
私本太平記」より 著者:吉川英治
義貞も、その遠くは、足利と同祖の家。――これまでの反目も水にながして、同時に起つ密約もすんでおる。――あとは、同じ源氏の名門では、御当家だけだが、賢明なそこもと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
やむをえぬこと」と一人割切ッていたことであったろう。 すでに足利高氏とは先頃の密約がある。高氏との盟約を履行したまでのことにすぎぬと、道誉は、そらうそぶいてい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
日としては、 「近く、都に変があろう。それを合図に一せい旗をあげる事」 という密約もすでになっているというのであった。 以上が――公重の密告の全貌であるが、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
も新田軍の背後より、楠木どのの御内応を得たきものと、切なるお望みをかけ、もしその密約に、御一諾を給わるなれば、はや天下は掌のうちに図り得たようなもの。……いかな....