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密訴
「密訴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密訴の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。その罪重々であるというので、お定は引廻しの上で獄門に晒された。 「これまでにも
密訴したものに仕返しをするということは時々ありましたが、それは悪党の仲間同士に限....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
て伝えました。 「やられました! やられました! あいつめが、あの鳥刺しの奴めが
密訴したに違げえねえんです! 御領主様が捕り方を差し向けましたぞッ。一揆の相談す....
「魔都」より 著者:久生十蘭
南独立資金をうるため、日本においてそれを売却せらるる意志なりと附会して安南政庁に
密訴、すでに仏国安南総督は東京|駐箚《ちゅうさつ》仏国大使に右に対する事実調査を....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
まで出ていらして、人払いの上で密々に話をお聴きになる。……目安箱《めやすばこ》の
密訴状の実否やら遠国の外様《とざま》大名の政治の模様。……そうかと思うとお家騒動....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
より先に長崎屋の一味にその魂胆を見抜かれ、出るにも入るにも見張りがつき、その上、
密訴でもしたら妹のお小夜の命を奪ってしまうと脅迫され、せっぱ詰まって、命に代えて....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
須賀、宇治の竹内式部などと気脈を通じて、ある大事を着々とすすめているというのだ。
密訴の者があって、それを知った幕府の老中たちが、今さらのように狼狽している様が、....
「三国志」より 著者:吉川英治
音だ。さては、主の呂伯奢は、隣村へ酒を買いに行くなどといって出て行ったが、県吏に
密訴して、おれ達を縛らせ、朝廷の恩賞にあずかろうという気かも知れん」 呟いてい....
「三国志」より 著者:吉川英治
と空に映じた。矢うなりはもう劉岱の身辺にも落ちてきた。 「しまった! ……敵兵の
密訴は嘘でもなかったのだ。それっ、一致して防戦にあたれ」 あわてふためいた劉岱....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る男より……」と、道誉の座を、顎でさして、 「察するに、事を逆しまにして、政所へ
密訴せしは、そこな若入道でおざったな」 「はははは」 道誉は正面を切って笑った....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
波羅ノ庁にあがっている。わけて、なんじの弟船木頼春の妻が、親の斎藤四郎左の許へ、
密訴に駈けこんだのを、どう言い解くぞ」 「な、波路がか?」 さっと、形相を変え....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
をお落ちなされますように」 男の忠告を、俊基は疑わなかった。もし欲心の上なら、
密訴して、六波羅兵をみちびいて来るはずだ。――さはなくて、こちらの一片の情に、彼....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れはどこまで親切者さ。じつは六波羅の検断所へ、かくかくの人物がここにおりますと、
密訴しに行っていたんだよ。すぐこの下まで、六波羅兵を案内して来ているのさ。呼んで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の身をゆだねられて落ちたのだろうに、近ごろ、我慾に目がくらんで、新田義貞のもとへ
密訴して出た。 義貞は仮借なく、すぐ船田ノ入道をさしむけて、わずか九ツでしかな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 そのあいだに、宮は、 「良忠――」と、殿ノ法印へむかって。「そちが会った
密訴の者は、どこにおいてあるのだ。ここか、六角か」 「されば。訴人は六角のてまえ....