密話[語句情報] »
密話
「密話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
健三は貰《もら》うとも貰わないともいわずにただ苦笑していた。すると姉は何か秘
密話でもするように急に調子を低くした。 「実は健ちゃん、御前さんが帰って来たら、....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
っくわ》した。
第二十二回 盆栽の蔭
盆栽室は中に様々の仕切などが有って、
密話密談には極々都合の好い所だ、舞踏室で舞踏が進む丈益々此の室へ休息に来る人が多....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
吉は二度も三度も店へ起った。お国は新吉の知らない、小野の生活向きのコマコマした秘
密話などして、しきりに小野の挙動や、金儲けの手段が疑わしいというような口吻を洩ら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
座敷では、いったん出かけて行った金公が、またコソコソと立戻って来て、お倉婆あと内
密話《ないしょばなし》を試みている。 その内容というのは、今日、人に誘われて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。一つの間に、たった一人で、しきりに義太夫を語っている者もあります。ひそひそと内
密話《ないしょばなし》をしている者もあります。急がしそうに手紙を書いている人もあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はないが、主膳が足を留めないわけにはゆきません。 しかし、二人は湯殿の中で、内
密話《ないしょばなし》をしているわけではなく、平常、座敷でする通りの熟しきった会....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
通している門之丞は、はじめから委細承知で、もっとも顔に動いているので。
この内
密話を聞いた玄心斎と大八は、食事もそこそこ、門之丞を加えて三人、すぐさまソッと寮....
「置土産」より 著者:国木田独歩
と、さも怪しそうにうわさせし者ありたれど恐らくそれは誤解ならん。なるほど二人は内
密話しながら露|繁き田道をたどりしやも知れねど吉次がこのごろの胸はそれどころにあ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てくれるように懇願し、家へ連れ込んできた。あるいは、りっぱな老人が自分の情婦の内
密話の相手になっていた。彼は彼女の情人らのことを彼女と噂《うわさ》し、彼女の放逸....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しただけに、なおさら人の気をひく話となして、すぐさま方々へ流布した。第一にその内
密話《ないしょばなし》を聞いたのは、彼女の腰|巾着《ぎんちゃく》たるリュシアン・....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にある。近代の音楽は、あまりに自己のことばかりを語って、あらゆる事柄に不謹慎な内
密話を交えるので、貞節と趣味とを欠いている。それはあたかも、自分の病気のことばか....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
油絵がかかっている。この客間の次の小間が「海舟書屋」で元の書斎。南洲や甲東と屡々
密話清話した歴史的な小部屋だ。これらを右に見て長廊下を五間ほど行くと、六畳と八畳....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
買物にでも来たような風をして、親方の気のつかねえように、何かボソボソお上さんと内
密話をしちゃ、帰って行くんだろう。なあ、どうだ三公、当ったろう?」 小僧は怪訝....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
れて、段を下りるのが見えた。 同時にそれまで、青葉の歌の声を留めて、その二人の
密話を傍聞きして取り巻いた、同じ白衣の看護婦三人。宿直の姿が二階を放れて、段に沈....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
開いて、にっこりした。まゆみも微笑をかえした。 「向へやったから、さあ早くその秘
密話してよ」まゆみはもとの席へ戻った。 「まゆみちゃん、私の代りになって、――鷺....