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密談
「密談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
》へ盗みにはいった所が、計《はか》らず甚内にめぐり合った事、なおまた父と甚内との
密談も一つ残らず聞いた事、――そんな事を手短《てみじか》に話しました。が、甚内は....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
はなされるように御取り計らい申しましょう。」
二十四
その
密談の仔細を甥の口から私が詳しく聞きましたのは、それから三四日たったある朝の事で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一生の別れでございます」と、お富はまた泣き出した。 お早とお信が、ここでどんな
密談を遂げたのか。この二人はそもそも敵か味方か。帰るときに二人の顔色が悪かったの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とはかねて懇意の仲であったが、十日ほど前の夜に尋ねて来て奥の間で多左衛門と何かの
密談に時を移して帰った。その以後も殆ど毎日のように尋ねて来る。なんの為にそんなに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あるので、半七は肚のなかでほほえんだ。かれは葭簀のかげに忍んで、隣りの茶店の奥の
密談を一々ぬすみ聴いていた。 「それで、これからどうしようというのだ。どうしても....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
上はなんとかして此の事件を秘密に葬らなければならないと、母はお豊と額を突きよせて
密談の末に、ようやく案じ出したのがお直の家出という狂言の筋書で、お力には母からよ....
「階段」より 著者:海野十三
子と、それから何ということだろう、友江田先生とが、ピッタリ寄り添って深刻な面持で
密談をしていたではないか。 「これは、古屋君」 「先生、えらい事件が起りましたね....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
ちょうど其の時間に、椋島技師は陸軍大臣の官邸で、剣山陸軍大臣と向い合って、低声で
密談中であった。椋島技師は、緊張にこまかくふるえながら、普段から真白い顔色を、一....
「断層顔」より 著者:海野十三
へ捨てられるよりは、余程生還の可能性が大きかった。このことは博士から木田に対して
密談的に相談せられ、木田は同意した。そしてそれはその夜午後十一時から始められるこ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
コフさんも、手を貸してくれることになっていますわ」 ターネフ首領、ニーナ嬢との
密談は、近くなにか更に大事件をおこそうとしていることがうかがわれる。彼らは、いっ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
もない。頭にぐるぐる繃帯をしたペンキ塗の中国人であった。リット少将とハバノフ氏の
密談する塔の屋上で、檣にペンキを塗っていたあの怪中国人であった。 彼はなぜ、命....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
る夜。こっそり折竹の天幕へ、セルカークが入ってきた。彼は、周囲をたしかめてから、
密談のような声で、 「取らぬ狸の、皮算用かもしれんがね。いずれは大盲谷の油層が、....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
天城屋敷の池田出羽の許へ早馬で駈着けたのは野末源之丞。奥書院にて人払いの上、
密談の最中。池田出羽は当惑の色をその眉宇の間に示しながら。 「シテ、その小笠原金....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
るのが面白いんで、たとえば神様のいらっしゃる境内をも憚らず、暗闇を幸いに、男女が
密談などしているのを見付けては、知らない間に二人の髷をちょん切って置いたりなんか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
な宴会を開き、ロバアト・セシルのみならず、ウォタア・ラレイをも招待した。二時間の
密談の後に、三人の偉大な人物は友情をもってむすばれたのだった。善意の徹底的な現れ....