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「密議〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

密議の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ふうにして慶喜のところへやって来た。徳川の代もこれまでだと覚悟する将軍は、討幕の密議がそれほどまで熟しているとは知らなかったが、禍機はすでにその極度に達している....
丹下左膳」より 著者:林不忘
葉の最中に、皆は、庭へ向かった雨戸のほうへ、一度にふり向いていた。 深夜だし、密議のことだし、しめきってある。 ドン! と、その板戸に、何かぶつかる音がした....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
手をやった。スミ枝が栓をひねって、湯をじゃあじゃあ出しはじめた。 地下室の密議 そこは窓のない部屋だった。 壁のところには、配電盤や棚のようにかさねた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いつきでもなんでもないのですが、この際、本気になって実行にとりかかろうという事の密議が、一座の者の固唾《かたず》を呑ませるだけのものであります。 後宮三千とい....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
、何とか今少し御思案もありそうなものだといって、彼処に五、六人此処に七、八人各々密議をこらす者もあった。私はそのまま帰宅して、まだ病床にいた父にそれを告げたが、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
って、左膳、源十郎、軍之助の鼎座《ていざ》を中心に、それからただちに深夜の離室に密議の刻が移っていった。 その結果。 乾雲を囮《おとり》に坤竜をひきよせるい....
丹下左膳」より 著者:林不忘
し、決定したのだ。 裸の八代将軍をゴシゴシやりながら、なんによらず、幕府最高の密議を練る愚楽老人――この、こどもみたいなお風呂番のまえには、大老も、若年寄もあ....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
。いずれ重大の相談事が執行われるに相違あるまいが、さてどういう相談事であろうか?密議? もちろん! 謀反の密議?」 こう思って来て紋太郎はゾッとばかりに身顫い....
南国太平記」より 著者:直木三十五
」 「例の――秋水一揮党の輩が、赤山靱負殿を大将として、何か、よりより寄っては、密議を致しておりましたが、殿が、御帰国遊ばされて以来《このかた》、急に、会合が劇....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
すけても文句のでねような方法が、ここに一つあるがんだ」 そこで一同は額を集めて密議を重ねる。めでたく相談がまとまって、その晩は前祝いに充分のんで、一同アンニャ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ではあるまいかと、そういう心配をしながら罷り出た。 「や、九兵衛。今日は一大事の密議じゃで。遠慮は入らぬ。近う」 「へえ」 「その方の宿泊人に、小笠原金三郎等の....
書記官」より 著者:川上眉山
おしく日ごとに奔走しぬ。三人四人打ち連れて訪い来る客は、一間に閉じ籠りてしばしば密議を凝らせり。日は急がしきにつれて矢のごとく飛びぬ。露深く霧白く、庭の錦木の色....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のボタンをつけるなど、いかめしい人物だった。彼女は公式の謁見を許した。侍女や、枢密議員や、側近の貴族らを従えながら玉座に坐って、彼女は大使の念入りな奏上に、いと....
志士と経済」より 著者:服部之総
、梅田が先年、先に記した産物交易問題のため長州へ下った節、これと何か不穏のことを密議したろうという当局の訊問に言及して、「夫《それ》梅田は素《もと》より奸猾なれ....
」より 著者:神西清
た引き返して言った。 「かたくお願いしておくが、今後は僕の家をあんな集会や陰謀や密議室に使わないで貰いたい。僕の家には僕の知人だけ出入りを許す。君のあの悪党ども....