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「密貿易〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

密貿易の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
。彼は抜荷《ぬけに》買いというもので、夜陰《やいん》に船を沖へ乗り出して外国船と密貿易をするのであった。密貿易は厳禁で、この時代には海賊と呼ばれていた。彼は故郷....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が、おめがね違い、足もとから火が出たんですよ。ね、平牢《ひらろう》にもう半月ごし密貿易の科《とが》で、打ち込まれていた若造があったでがしょう」 「ああ、知ってる....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
《ふる》って、手堅さにおいては、長崎一といわれていた、清左衛門を魔道に引き入れ、密貿易を犯させて、彼等自身が各々の大慾望を遂げてしまうと、長崎奉行役替りの時期が....
名娼満月」より 著者:夢野久作
へ着いた。 千六は長崎へ着くと直ぐに抜荷を買いはじめた。抜荷というのは今でいう密貿易品のことで、翡翠、水晶、その他の宝玉の類、緞子、繻珍、羅紗なぞいう呉服物、....
木の芽だち」より 著者:宮本百合子
きのびた。 僅に、九州や中国の、徳川からの監視にやや遠い地域の大名たちだけが、密貿易や僅かの海外との交渉で、より新しい生活への刺戟となる文化を摂取した。維新に....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
ないか」 「なるほどね」 半平は腕をくんだ。 天草商事は第三国人と大がかりな密貿易をやっていた。その本拠は小田原界隈のさる由緒ある邸宅内にあったから、地理的....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
旦那だ。ズッシリ重い行李の中身は分らないが、虫蛇お化けでないことは確か。あるいは密貿易の秘密の財宝であるかも知れない。行李を預った車夫がモーローの捨吉だとはお釈....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
海賊船だ! 黒い船体が島陰から出た! 真鍮の金具、五重の櫓、狭間作りの鉄砲|檣!密貿易の親船だ! 麝香、樟脳、剛玉、緑柱石、煙硝、氈、香木、没薬、更紗、毛革、毒....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
公|姉川探鯨だったのである。 正史においてすら、仄かではあるけれど、西班牙との密貿易の嫌疑が記されているように、雄志禁じ難い不覊奔放の性格は、琉球列島の南|毛....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
て、南洋へ渡ったじゃございませんか。そこでわたしたちは考えたものです。彼奴が永年密貿易によって、集めた財産は莫大なものだが、どこに隠してあるだろうとね。南洋へ移....
南国太平記」より 著者:直木三十五
しよ》笑左衛門と改名させて登用し、彼の献策によって、黒砂糖の専売、琉球を介しての密貿易《みつがい》を行って、極度の藩財の疲弊を、あざやかに回復させた。 然し積....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
が遅延してもそれほどすぐに重大なことになるわけではなく、また嵩が小さいので容易に密貿易が出来るからである。しかし穀物の場合には、三、四箇月遅延しても最も複雑な窮....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
てもないのだから、どんな芸当でも出来そうだ。夜に紛《まぎ》れて上荷《あげに》船で密貿易の品を運び上げ、よくないことでもしていたのに違いない。……それはそれとして....
尊攘戦略史」より 著者:服部之総
夷が大藩主にとって真実の目的となりえないことは、すでに薩藩が久しく琉球を通じての密貿易によりて外国貿易の利は知りすぎるほど知っていたことからも想像されよう。文久....
なりひら小僧」より 著者:山中貞雄
・I)なりひらの宅(夜) なりひらの一党の前に娘君江の涙話。 T「十年前に父が密貿易をやって居りました。その時の」 聞く一同。 T「その時の一味の連判状を何....