密輸[語句情報] » 密輸

「密輸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

密輸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
う云う危い橋なら、渡りつけているだろうに、――」 「冗談云っちゃいけない。人間の密輸入はまだ一度ぎりだ。」 田宮は一盃ぐいとやりながら、わざとらしい渋面《じゅ....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
しかし幸い血の※《におい》よりもロマンティックな色彩に富んだものだった。黄の平生密輸入者たちに黄老爺《こうろうや》と呼ばれていた話、又|湘譚《しょうたん》の或|....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ろう。しかし、この男が何者かということは、ほぼ彼に想像がついていたのだ。泥坊か、密輸入者か故買者か。どうせ、素姓のしれぬダイヤなどを持つようではそんな類いだろう....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
うのは、むろん航海中の出来ごとについてだったが、中で一番私の注意を引いたものは、密輸入に関するものだった。船員の中には、陸上の悪漢団と、切っても切れぬ腐れ縁のあ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
許されるのである。 まあ道具立はそのくらいにして置いて、ここに紅国人の有名なる密輸入の名手レッド老人を登場させることにする。 「また一つ、頼みますよ。ねえ、税....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
てくれたが、あまり蜘蛛が出ない日が続くと、小僧は儲けがないのでよそから大きな奴の密輸入を企てようとしたので、これは危険だからやめにした。 私がさように嫌う蜘蛛....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
野良仕事をしていた人たちの中には、見慣れない男が何人も街道にいるのを見て、それを密輸入者だと思って逃げ出したことがあるのを、思い出す者もあったし、また、少くとも....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
れてきたのだ。 「裏に何かがあるッて、何がある積りだい?」 「たとえば、あるいは密輸。あるいは国際スパイ……」 「なア、カンスケ君。選挙は特に人目をひくものだ。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
によって精密に造られた二重底の宝石入れで、船長が今日あるを察して出発前に用意した密輸用の容器であるのを知り得たのです。二ツの宝石はその中にありましたが、今村氏は....
裏切り」より 著者:坂口安吾
追いつめられていたのです。断片的に小夜子サンに語ったところによりますと、大仕掛の密輸のせいだとも云いましたし、ギャングの一味だったせいだとも云ったそうですが、ま....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
航組』というやつは、君も知っとるであろうが、以前船員だった連中が企んだ、大仕掛な密輸団だった。おまけに、港々には、春婦宿を経営していたし、大規模な、世界を股にか....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
原因が、清国の国禁を英国商人が破り、広東で数万函の鴉片を輸入し――しかも堂々たる密輸入をしたのを、硬骨蛮勇の両広総督、林則徐が怒って英国領事、エリオットをはじめ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
結ぶ航海の方ははるかに易々たるものであったに相違ない。 戦後の今日、朝鮮からの密輸や密入国は発動機船を用いているらしいが、それは監視船の目をくぐるに必要な速力....
南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
。当局はようやくスパイをいれることに成功して、ミス南京の存在までは突きとめたが、密輸のルートはおろか、ミス南京の住居も名も分らないのだ。 ところが殺された奈々....
国境」より 著者:黒島伝治
戒兵としての経験からくるある直感で、ワーシカは、すぐ、労働組合の労働者ではなく、密輸入者の橇であると神経に感じた。銃をとると、彼は扉を押して、戸外へ躍りでた。扉....