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密閉
「密閉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密閉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
えの》のほうから聞こえて来る汽車の音、病室からながめられる生理学教室の三階の窓、
密閉された部屋《へや》、しごき帯、……なんでもかでもが自分の肉を喰《は》む毒蛇《....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
。それは漢青年をして、杭州にある気持を抱かせるについて、二階家の中に建築した彼の
密閉室の換気を行う装置だった。 しかし、いつもの夜の銀座裏と違うところがあった....
「赤外線男」より 著者:海野十三
情景が展開していったか、その内容についてはここに記すことが許されぬ。しかしそれは
密閉されたる室のうちで演じられている怪しげなる戯れだった。斯かる情景は人目のつか....
「火星探険」より 著者:海野十三
れの箇所を調べ、もしもそれがあるときはその部屋を犠牲にして、次の部屋との境にある
密閉戸を下ろさねば危険となるのだ。しかもこのことは大急ぎでやらなければならなかっ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
めていったのです」 「それはそうだが……」 「毒瓦斯が放出されたとき、この部屋は
密閉状態にあったことを証明したかったのです。
密閉状態にあったが故に、毒瓦斯は室内....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
「どうだかなあ、信用は出来ん」 「いや、これは確実だ。火薬炉の中につきおとして
密閉し、電熱のスイッチを入れて、じゅうじゅう焼いてしまうのだ」 「本当にそのとお....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
展望してないなんて、おかしなことだ」 「何がおかしいと仰有るの」 「こんな静かな
密閉された中に生活していたのでは、宇宙を飛んでいるのか、それとも地下の一室で暮し....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
くことができなかったのである。しかも一方から声をかけても、相手にとどかなかった。
密閉した壁が、それをさまたげているのだ。 帆村は、かねてそれに気がついていたの....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
難所は毒瓦斯の避難所だ。大きい小学校とか、映画館とか、銀行とかいった丈夫な建物を
密閉して、そこへは毒瓦斯が侵入しないように予め用意をして置いて、さあ毒瓦斯が来た....
「東京要塞」より 著者:海野十三
ものかい、その今いった工場みたいな建物には、窓が一つもついていないんだ。全部壁で
密閉してあって、電灯が燦然とついている。物音なんて、なにも入って来ない。深山のな....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
の実を語るべきなり。 聞くのみにてはあき足らざらんか、主翁に請いて一室に行け。
密閉したる暗室内に俯向き伏したる銀杏返の、その背と、裳の動かずして、あたかもなき....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
棚を釣って、重ね、重ね、重ねてあるのは、不残種類の違った植物の標本で、中には壜に
密閉してあるのも見える。山、池、野原、川岸、土堤、寺、宮の境内、産地々々の幻をこ....
「街の探偵」より 著者:海野十三
斯は、どこから入ってきたのかね』 『どこから入って来ようもないじゃないか。室内は
密閉されてあるのも同然だ』 と帆村は舌うちをした。 『ストーブから不完全燃焼で....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
ことが重なり、恰度殺人が行われたように見えるもの。――一例を挙げてみると、部屋が
密閉される前に盗賊がはいって、格闘があったり、負傷したり、家具が破壊されたりなど....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
った塗板を真直に懸直し、そのまま閉ってる扉を開けて、小腰を屈めて診察所へ入った。
密閉した暗室の前に椅子が五脚ばかり並んで、それへ掛けたのが一人、男が一人、向うの....