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富
「富〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
富の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
友人のあるドクトルに誘われて、丁度|於伝仮名書《おでんのかなぶみ》をやっていた新
富座《しんとみざ》を見物に行きますと、丁度向うの桟敷《さじき》の中ほどに、三浦の....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
り、所謂《いわゆる》超自然的現象には寸毫《すんごう》の信用も置いていない、教養に
富んだ新思想家である、その田代君がこんな事を云い出す以上、まさかその妙な伝説と云....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ちょっと小説じみた下《しも》の小事件に遭遇した。この小事件もことによると、情熱に
富んだ湖南の民の面目を示すことになるのかも知れない。…………
* * *....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
教である。ある仏蘭西《フランス》のジェスウイットによれば、天性|奸智《かんち》に
富んだ釈迦は、支那《シナ》各地を遊歴しながら、阿弥陀《あみだ》と称する仏の道を説....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
睡気《ねむけ》がさしそうでなりません。」
内蔵助は微笑した。この正月の元旦に、
富森助右衛門《とみのもりすけえもん》が、三杯の屠蘇《とそ》に酔って、「今日も春恥....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ら新大橋までの間に、もとは五つの渡しがあった。その中で、駒形《こまかた》の渡し、
富士見の渡し、安宅《あたか》の渡しの三つは、しだいに一つずつ、いつとなくすたれて....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
おともぞろ》い相済み、市川村へ御成《おな》りあり。鷹《たか》には公儀より御拝領の
富士司《ふじづかさ》の大逸物《だいいちもつ》を始め、大鷹《おおたか》二基《にき》....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ょう》を瞞着《まんちゃく》するよりも常子の疑惑を避けることは遥《はる》かに困難に
富んでいたらしい。半三郎は彼の日記の中に絶えずこの困難を痛嘆している。
「七月×....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
江口は決して所謂快男児ではない。もっと複雑な、もっと陰影に
富んだ性格の所有者だ。愛憎の動き方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
は、まだ雪をかぶった儘深谷を隔てているかも知れぬ。菊池の前途もこの意味では艱険に
富んでいそうである。巴里や倫敦を見て来た菊池、――それは会っても会わないでも好い....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
るものを我久保田万太郎君と為す。少くとも「のて」の臭味を帯びず、「まち」の特色に
富みたるものを我久保田万太郎君と為す。 江戸っ児はあきらめに住するものなり。既....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
この意見も変るかも知れない。が、差当り僕の見た小杉未醒氏は、気の弱い、思いやりに
富んだ、時には毛嫌いも強そうな、我々と存外縁の近い感情家肌の人物である。 だか....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーの「電気実験研究」を繰りかえして見た。そのときふと、ファラデーが学問と
富との話をしたことがあるのを想い起した。それでこの発見か
富豪かという問題がファラ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばしば奇怪なものを見たり、虚空に音楽や人声を聞くこともある。近隣一帯には伝説は豊
富だし、幽霊のでる場所も多いし、うす暗い時刻につきものの迷信もあまたある。流星が....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
々して、気分も好く、若やいでいた。そして、その晩を知事の邸で過ごした。私は機知に
富む男だと讃められた。 だが、私は血を見なかったのだった。しかし、私は落著いて....