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富む
「富む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
富むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
議を知らないのか。愛を与えるものは与えるが故に富み、愛を受けるものは受けるが故に
富む。地球が古いほど古いこの真理をお前は今まで知らないでいたのか、と。 私はそ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
い換えればこれは畢竟伝説の形となって現われた自然児の詩にすぎないのであって理知に
富む思索家の宇宙を系統化せんとする考えではないのである。 ヒルシュ(E. G.....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を軽蔑する人々こそ却って俗人ではあるまいかと思う。 次は百日草で、これも野趣に
富むがために、一部の人々からは安っぽく見られ易いものである。梅雨のあける頃から花....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
デルマは、かつて日 本にも上陸したることありと伝う。 彼は大胆にして細心、経綸に
富むと 共に機械に趣味を有し、よく六千人 の部下を統御せり。また彼の部下ヘ ザー....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
だろうから、奇賊をして繭子夫人に一指をも染めさせないであろうと、善良にして慈愛に
富む夫は述べたことだった。しかし夫人は夫君の説明の後で、烏啼天狗の脅迫状の真蹟を....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
る。が、何といつてもまず第一は音楽家の理解力の不足、といつてわるければ、理解力に
富む音楽家が不足なのか、あるいは不幸にして理解力に
富む音楽家がまだ映画に手を出さ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
の範疇の問題もある。すなわち絵画は文学よりも国際性があり、散文は詩よりも国際性に
富むという類である。 たとえばユゴーといえば我々はすぐに「レ・ミゼラブル」を想....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
しようとしたガイホークが展望台と定めたパーリアメント・ヒルなどと共に、由緒古跡に
富むロンドン北郊の歴史的場所である。が、誰でも直ぐに知ることの出来るこれ等の有名....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
々して、気分も好く、若やいでいた。そして、その晩を知事の邸で過ごした。私は機知に
富む男だと讃められた。 だが、私は血を見なかったのだった。しかし、私は落著いて....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
」と問えば、「あり」と答えり。その三、四名のもの将来の貧富を問いしに、「いずれも
富む」と答え、しかして余もそのうちの一人なれども、もとよりこれを信ぜず。世人のこ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
て、政教子の最も驚きかつ感じたるものは、各国人民みな独立の精神を有し独立の気風に
富むこれなり。人民みな独立の精神・思想を有するをもって、各国みな独立の学問あり、....
「西航日録」より 著者:井上円了
富めるものならん。果たしてしからば、アイルランド人は日本人よりも、なお勤倹の力に
富むといわざるべからず。要するに、勤倹の結果は富強となり、怠惰の結果は貧弱となる....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ほか、当市には一大遊歩林あり。その周囲三、四マイル、極めて広闊にして、また眺望に
富む。夜に入りて雨来たる。 二十日、晴れ。雨やみたるも、風冷ややかにして冬に入....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
さらにもう一枚の紙にのりづけしてあり、しかも波の型が三角形でなく半円形で、弾力に
富むものだった。当時は俗に「なまこ紙」といっていたが、私たちはこの国産品を作ろう....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
相を把握するの明がなかった。 第一次欧州大戦開始せられると、殖民地戦争の経験に
富むキチナー元帥は、戦争は三年以上もかかるように言うたのであるが、一般の人々は誰....