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富国
「富国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
富国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
いっても異色だ。嶄然《ざんぜん》足角を現わしている。経済学史を講じているんだが『
富国論』と『資本論』との比較なんかさせるとなかなか足角が現われる。馬脚が現われな....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
一洗することは不可能であるとしても、新興国の当路者がここに意を致すことなくんば、
富国はともあれ、強兵の実は遂に挙がるまいと思われる。(昭和8・1「文藝春秋」) ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
一の論派たるに足るものなり。 第一期の政論 第一 国権論および
富国論 大革新大破壊の前後には国中の士論ただ積極と消極の二派に分裂するに過ぎず....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
っと強くならねばならない、もっと富まねばならないというのがそれだ。言いかえれば、
富国と強兵とだ。しかしよく見れば、地方の人心はまだまだ決して楽しんではいない。日....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
嵐山へ殺風景を持込んだり、高尾の山の中まで水力電気でかき廻わしたり、努力、実益、
富国、なんかの名の下に、物質的|偏狂人の所為を平気にして居る。心ある西洋人は何と....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
れはとにかく、いわゆるスポーツという外国語で呼ばれる行動形式は、どうも、直接には
富国強兵の手段にはならないらしいので、一頃スポーツは学校教育ではあまり優遇されな....
「安重根」より 著者:谷譲次
と思いしや ああ我等の同胞よ 一心団結したる上 外仇を皆滅して わが国権を恢復し
富国強民図りなば 世界のうちに誰ありて われらの自由を圧迫し 下等の冷遇なすべき....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
教職員一、二〇〇名を持つばかりである。これは日本の教育が人類的福祉の見地に立たず
富国強兵政策によっていたからであった。一九四六年に盲聾義務教育制の問題がとりあげ....
「科学論」より 著者:戸坂潤
ジーの個人的自由主義を社会的立脚点にしたことは今更云う迄もないが、一方に於て彼の
富国論はアリストテレスの『ニコマコス倫理学』と『政治学』とに端を発していると共に....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
せ、兄を苦しめていそうなので、不安に脈打つ胸を押えて、俯向いていた。
「わしは、
富国強兵の策として、理化学の外にないと信じているが、これを行うと、父上の御意にも....
「魔都」より 著者:久生十蘭
《みそか》の月。柳眉悲泣といったぐあいに引っ掛っている。
件《くだん》の人物は
富国生命の建築場の角でフト足を止めて空を仰いでいたが、やがて、
「チェッ、月かァ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
えるところによれば地球上の各国はいわば代る代る引続いて繁栄し、貧国は絶えず近隣の
富国の廃墟の上に繁栄を来たしつつあるのである。商業主義によれば、かくの如く代る代....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
立国の体面を張らんとするには、虚実両様の尽力なかるべからず。殖産工商の事を勉めて
富国の資を大にし、学問教育の道を盛んにして人文の光を明らかにし、海陸軍の力を足し....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
紐育《ニューヨーク》のホドソン、倫敦《ロンドン》のテエムスに対するが如く偉大なる
富国《ふこく》の壮観をも想像させない。東京市の河流はその江湾なる品川《しながわ》....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を富ますべからず。果たしてしからば、わが国を富ますの法は、政教子の唱うるところの
富国策を用うるよりほかなし。 船、玄海を渡りて馬関に近づくに及び、その雲容山影....