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「富士額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

富士額の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
清楚――といったような美しさのうえに、そったばかりの青まゆはほのぼのとして、その富士額の下に白い、むっちりともり上がった乳をおおっている浜｜縮緬《ちりめん》の黒....
「行人」より 著者:夏目漱石
てかず》をかけました。御暑いところを」と礼を述べた。実際急いだと見えてお兼さんは富士額の両脇を、細かい汗の玉でじっとりと濡《ぬ》らしていた。 「どうです、ちっと....
「草枕」より 著者:夏目漱石
るに引き易《か》えて、額《ひたい》は狭苦《せまくる》しくも、こせついて、いわゆる富士額《ふじびたい》の俗臭《ぞくしゅう》を帯びている。のみならず眉《まゆ》は両方....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
かえ》ッて見れば……お勢で。年は鬼もという十八の娘盛り、瓜実顔《うりざねがお》で富士額、生死《いきしに》を含む眼元の塩にピンとはねた眉《まゆ》で力味《りきみ》を....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
の肩の辺に縺れかかった崩れた髪の乱らがましさ、顔を隠した袖を抜けてクッキリと白い富士額、腰細く丈高く、艶と凄とを備えた風情には、人を悩ますものがある。二十一歳の....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
にさだ》と、豊満な肉体、丸顔から、すらりとした姿、脚と腕の肉附きから腰の丸味――富士額《ふじびたい》――触覚からいえば柔らかい慈味《じみ》のしたたる味から、幕末....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は丸顔の方で、緻致はさしてよいとも言われませぬが、何所となく品位が備わり、雪なす富士額にくっきりと黛が描かれて居ります。服装は私の時代よりはやや古く、太い紐でか....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
ょう！ 髪の毛は薄くなって、おまけに黒い艶がなくなっています。昔はくっきりとした富士額だったその生え際が、一本々々毛の数を数えられるほどになっています。顎全体が....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
然ういう娘の声を聞いて、お力は改めて、相手をつくづくと見た、娘は十八九で、面長の富士額の初々しい顔の持主で、長旅でもつづけて来たのか、甲斐絹の脚袢には、塵埃が滲....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
ひっ込んだまでに、見て取った彼女の顔形は、全く美しいものであった。キッパリとした富士額、生え際の濃さは珍らしいほどで、鬘を冠っているのかもしれない、そんなように....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
送った。と、その時、「あづま」の門へ、姿を現わした女があった。へへり頤、二重瞼、富士額、豊かな頬、肉厚の高い鼻。……そういう顔をした女であって、肉感的の存在であ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
服装のまるで違った彼女は、女学生じみていたが、それでもミスチックな顔をしていた。富士額で、刻んだような美しい鼻を持ち、背丈が高く、鹿を連想させた。 私は咽喉が....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
口の中で叫んだ。 娘太夫は源女のお組、それに相違ないからであった。 瓜実顔、富士額、薄い受口、切長の眼、源女に相違ないのであった。ただ思いなしか一年前より、....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
召の羽織で、いったいに黒ずんだ地味なつくりであった。 かわらないのは眉から額、富士額の生際《はえぎわ》へかけて、あの人の持つ麗々しい気品のある、そして横顔の可....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
《まゆ》も薄く眼も細く、横から見ると随分しゃくれた中低《なかびく》の顔であるが、富士額《ふじびたい》の生際《はえぎわ》が鬘《かつら》をつけたように鮮《あざや》か....