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富家
「富家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
富家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「慈悲」より 著者:岡本かの子
。そういうものには、そうさせて置くのが好いのです。彼の幸福は、決して暖衣飽食して
富家に飼われ養われて居る生活のなかには感じられなかったのです。彼は主人に引き留め....
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
舎唄を唄うころは無邪気であった。筋の多いふかし芋、麦飯の結塊、腹の減いた時には、
富家の子を騙して、銭を盗み出させて、二十銭の銅貨に駄菓子を山ほど買って食った。根....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
うたら、大和の人で、知らん人あれへんで」 という自慢は、本当らしく、一族には、
富家が相当にある。この父の所へ、母が 「大野の植村の息子」 というので、嫁に来....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
二十五年という歳月は一世紀の四分の一である。決して短かいとは云われぬ。此の間に何十人何百人の事業家、致
富家、名士、学者が起ったり仆れたりしたか解らぬ。二十五年前には大外交家小村侯爵は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
よく似ている。 ここに一つの事件がある、それは新徴組の隊長芹沢鴨が、京都のある
富家の女房を奪い来《きた》って己《おの》が妾《めかけ》同様にしてしまったことです....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
た。畳厚さだけ高くなるのだナと。それで躓くことなども無しに段々進んだ。物騒な代の
富家大家は、家の内に上り下りを多くしたものであるが、それは勝手知らぬ者の潜入|闖....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ある。 もう少し手強く江戸の内外を荒すというのは、つまり以前よりもモット豪商や
富家をおびやかすことと、役人に楯をつくことと、徳川幕府を侮《あなど》ることなどで....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
平家に建直りて、煙草屋の店開かれたり。扇折の住みし家は空しくなり、角より押廻せる
富家の持地となりて、黒き板塀建て廻されぬ。 そのあたりの家はみな新木造となりた....
「薬」より 著者:井上紅梅
埋め、右は貧乏人の塚を集め、両方ともそれからそれへと段々に土を盛り上げ、さながら
富家の祝いの饅頭を見るようである。 今年の清明節は殊の外寒く、柳がようやく米粒....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
橋へ集中して、各区の中心地は小中心の有様となって来た。この中心というものは、豪商
富家が多数集合して、多年の信用を保っている所であるから、最も顧客を絶えず惹きつけ....
「私の探偵小説」より 著者:坂口安吾
ということだった。ミステリイの要素が主で、推理は従である。浜尾四郎氏の作品や「船
富家の惨劇」などは推理小説だけれども無理が多い。これは日本の法律とか警察制度とか....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
ように、下げ髪に几帳《きちょう》を立て、そこに冥想《めいそう》し、読書するという
富家《ふうか》の女《ひと》は、石の上露子とも石河の夕千鳥とも名乗って、一人静かに....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
なりさがりたる時、老いたる父母を養ひかねて心苦しく思ふを人も哀れと見て、あるいは
富家の女婿になれと勧められ、あるいは医を学びて生業を求めよといさめらる、並々の人....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
己達が無条件に信任せられていた時代が、
兎に角真の黄金時代だったて。
暴
富家
わたしどももぼんやりしてはいないから、
随分して悪い事をしたこともありまさ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。そういうものには、そうさせて置くのが好いのです。彼の幸福は、決して暖衣飽食して
富家に飼われ養われている生活のなかには感じられなかったのです。彼は主人に引き留め....