寒国[語句情報] »
寒国
「寒国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒国の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
。酒は全く飲まなかったが、四年前に先代の藩主信順に扈随して弘前に往って、翌年まで
寒国にいたので、晩酌をするようになった。煙草は終生|喫まなかった。遊山などもしな....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の銘文にこの象と猴はアルメニアまたバクトリアからの進貢するところとある。いずれも
寒国でとてもこんな物を産出しないから、これはインドより輸入した象や猴を更にアッシ....
「夜の靴」より 著者:横光利一
立てる。 夜になると、炉端で清江が畑から切って来た砂糖黍の茎を叩いている。この
寒国でも今年から砂糖黍を植え始め、自家製の砂糖を作るのだが、それも今夜が初めてで....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
かの様な心地さえする。西洋の家は冬向きは実に暖かくていい。これなら、いくら北欧の
寒国でも余りつらい事はなさそうだ。外出するのは少し寒いが、大抵自動車かホロ馬車だ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
るかもしれぬ。しかしこの原因に頼り過ぎなくとも、自然的類推に従って、熱帯の土民は
寒国の住民よりもはるかに早く成人になるのであるから、死別もまた早いと考えてよかろ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
を建て、隙さえあれば山野の中にただ一人で分入るのであった。 「暖国には樹上の家、
寒国には土中の室、神代には皆それであった」 土地の者にも土室が好い事を勧めてい....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
添えて、緑の色深い姫柚子が数粒、小皿の上にあった。私は、それをなつかしく眺めた。
寒国である私の故郷は、柑橘類に恵まれていなかった。姫柚子など、あろうはずがないけ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ちょっと注意までに申して置きますがその麦焦粉もかの地のはなかなか力が強い。どうも
寒国に出来た麦は余程成分に富んで居ると思われるです。でまあそれをゆっくりと喰いま....
「くだもの」より 著者:正岡子規
多うて青味を帯びているのは酸味が多い。 ○くだものと香 熱帯の菓物は熱帯臭くて、
寒国の菓物は冷たい匂いがする。しかし菓物の香気として昔から特に賞するのは柑類であ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
私はうなずきながら、何気なく、森山が座席へ置いた新聞をとりあげた。すると偶然、阿
寒国立公園に探鉱者殺到、という記事が目に触れた。最近国立公園区域でも鉱区が許され....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
としたものです。もっともこれは東京の冬の気候で申しますから暖国ではそれより短くし
寒国では長くしなければなりません」と説明を聞いて猟天狗《りょうてんぐ》先生不審が....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
ゆ》が雪を豊年の嘉瑞《かずい》といひしも暖国の論なり。されど唐土《もろこし》にも
寒国は八月雪|降《ふる》事|五雑俎《ござっそ》に見えたり。暖国の雪一尺以下ならば....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
るが、だんだん聴いてみるとこの方面では、一般に冬でも麻の着物を着ていたのである。
寒国には木綿は作れないから、一方には多量の木綿古着を関西から輸入して、不断着にも....
「硝子を破る者」より 著者:中谷宇吉郎
に思われる。例えば春さき雪がなかなか融けないために作付《さくづけ》が遅れるとか、
寒国地方で水田の水温が低いために冷害の厄を蒙《こうむ》るとかいうような問題は、も....