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寒地
「寒地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
ること、植物の変化と豊饒なることなどが、その背景《バック》になっていることで、北
寒地方の雪といえども、これらには辛うじて匹敵し得られるに過ぎまい。
しかしなが....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
アジア諸島の虎は毛短く滑らかで色深く章条《すじ》鮮やかなるに、北支那やシベリア等
寒地に棲むものは毛長く色淡し、虎の産地はアジアに限りアムール州を最北限、スマトラ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
たが、今更のように思い合わされる。
――おのれ、見ておれ、間もなく、おのれも八
寒地獄に落ちる身だぞ。
憎《にくし》みを、満腔《まんこう》に忍んで、彼はやがて....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しめず、夏至において交わらしむと。バートン言う、この説|理《ことわり》あり、驢は
寒地で衰う、ただしアフガニスタンやバーバリーのごとく、夏長く乾き暑くさえあれば、....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
のカーニュにいた時です、ここはルノアール翁の別荘があって、地中海に面した暖かい避
寒地で日本の画家達も冬になると、よく集まってくる土地です。当時も正宗氏や硲君も来....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
骸を、雪を掻いて膚におぶった、そ、その心持というものは、紅蓮大紅蓮の土壇とも、八
寒地獄の磔柱とも、譬えように口も利けぬ。ただ吹雪に怪飛んで、亡者のごとく、ふらふ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
地獄には誰でも知っている通り、剣の山や血の池の外にも、焦熱地獄という焔の谷や極
寒地獄という氷の海が、真暗な空の下に並んでいます。鬼どもはそういう地獄の中へ、代....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
いまにも突っかけて来るのではないかと思われるくらいだった。これは西蔵高原の不毛の
寒地に野生しているヤク(※牛)という動物で、北部ではもっぱら駄用乗用に使役し、肉....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
した。 浜にそうて岩壁をよじ、川をさかのぼりて森にいる。ひいらぎバーベリ等の極
寒地方に生ずる灌木は、いやがうえに密生して、荊棘路をふさいでは、うさぎの足もいれ....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
らずも老友に、時節柄素敵な秘法の伝授を受けた。今晩から、猫捕りに精進しよう。北米
寒地のインデアンは、食糧に困ってくると、橇犬の皮まで食ってしまうという話であるか....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
一つ登れば、そのまま次に玻璃《ガラス》を張ったような蒼い氷の壁が現われる。八
寒地獄の散歩道《プロムナード》もかくやと思われるばかり。 焦慮|瘠身《そうしん....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
ぎや》かなK町の或る別荘で恐ろしい惨劇が行われました。一体K町は昔から海水浴や避
寒地として有名であるのみならず、近頃は上流中流の人々の住居なども出来て頗《すこぶ....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
うすれば凍上の防禦という問題も、少しの努力を払えば解決出来る見込は十分ある。もし
寒地の鉄道局で、局員中から野球の選手を養成している程度にでも、研究の選手を養成す....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
なつか》しさをもっているのである。 それよりももっと重大なことは、この霜柱が、
寒地の土木工学上大切な問題として、極《ご》く最近に、低温科学の表面に浮き出たこと....
「硝子を破る者」より 著者:中谷宇吉郎
うであるが、もともと雪中飛行の研究と言っても、科学的には雪の本質の研究であって、
寒地農業の物理的研究に雪の本質の研究が役に立たぬはずはないのである。その点自然を....