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寒山拾得
「寒山拾得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒山拾得の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
が》めても、うそ寒い秋の気が動いていないところはない。
馬琴の眼は、この淡彩の
寒山拾得《かんざんじっとく》に落ちると、次第にやさしい潤いを帯びて輝き出した。
....
「服装に就いて」より 著者:太宰治
、乞食《こじき》の威嚇《いかく》、ふてくされ等と言って非難するであろうし、また、
寒山拾得の如く、あまり非凡な恰好をして人の神経を混乱させ圧倒するのも悪い事である....
「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
質に於て作者の主観の傾向に沿って一般的な人間性の方向へひろがって行ったことは、「
寒山拾得」にも十分うかがえるし、「じいさんばあさん」のような余韻漂渺たる短篇にも....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ずで、出品数は三百点、大変の前景気だそうだ。呼物の主なものとして、虚堂墨蹟、馬麟
寒山拾得、牧渓江天暮雪、大名物瓢箪茶入などが挙げてあった。 虚堂墨蹟といえば、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
河童に類しているが、身に黒の法衣のかけらと覚しいものを纏《まと》うているところ、
寒山拾得《かんざんじっとく》の出来損いと見られないこともない。 「イルカ、イルカ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
帰るも、蝉丸の社をくぐって来ても、二人ともに口を利《き》かなかったものですから、
寒山拾得の出来損いだろうなんぞと悪口を叩かれるので、最初から、弁信、米友でござい....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
直しに朱墨《しゅずみ》の赤丸が先生の手でつけられてゆくのを見ていると、屏風の絵の
寒山拾得《かんざんじっとく》とおんなじような息吹《いぶき》をしているように、子供....
「寒山拾得縁起」より 著者:森鴎外
いる拾得という人だのは、どんな人でございます」と言った。私はやむことを得ないで、
寒山拾得の話をした。 私はちょうどそのとき、何か一つ話を書いてもらいたいと頼ま....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ていたのだ。間もなく座敷牢の中に入れて置かねばならなくなった。伯父さんは詩人肌の
寒山拾得のような風貌の人だったが、これも監視をつけねばならなくなった。しかし私は....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
。御池に行くようになって暫くしてからのことですが、ある時、尺八か尺五かの水墨の「
寒山拾得」が枠張のまま立て掛けてありました。古画のようでそれで何処となく独創的な....
「栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
のどす。その時分に何だかの寄付画であったと思いますが、尺八位の絹地に栖鳳先生が〈
寒山拾得〉を描かれましたが、それを見て大そう感心しました。古画より生気溌剌として....
「『青丘雑記』を読む」より 著者:和辻哲郎
持つからである。著者はシナの乞食の図太さの内にさえそれに類したものを認めている。
寒山拾得はその象徴である。しからば人はいかにして不死身となり得るか。我を没して自....
「山の人生」より 著者:柳田国男
たような嘘をついたかは、今日となってはもう断定ができぬ。それから第二の点は支那の
寒山拾得の話のごとく、残夢は無々と語り福仙と相指ざし、残月は小松原宗雪と同宿し、....
「九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
めつけ》のことで、呉須土《ごすど》で描《か》いた南画《なんが》めいた構図で、よく
寒山拾得《かんざんじっとく》のような人物や山水《さんすい》などが、達筆に密画でな....