寒心[語句情報] » 寒心

「寒心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
一銭よりも吝《お》しまざりしこの美人の胆《たん》は、拾人の乗り合いをしてそぞろに寒心せしめたりき。銀貨一片に※目《とうもく》せし乗り合いよ、君らをして今夜天神橋....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
の暴政を怒《いか》るか、天災地変は年一年|甚《はなはだ》しくなる。国家のため実に寒心に堪えぬ次第ではないか。 しかるに、走り行く此方《こなた》の車内では、税務....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
あり、ひいて国民思想の動揺を来し、人心ややもすれば中正を失し矯激に走るありて洵に寒心に堪えぬ」……「なかんずく人心の感化社会風教の上に至大の影響をおよぼす宗教の....
常識」より 著者:豊島与志雄
ちがいない。けれども、私とあなたとの公然たる振舞や、殊には金銭上の関係になると、寒心すべきことだと考えたにちがいない。あなたのためにもまた私のためにも、そうだ、....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
時に、これに適当した治療が行われていないことは、病人のため、国家のため、まことに寒心すべきことではないでしょうか。この肝臓炎は満州事変頃よりポツポツ内地に侵入、....
知識と政治との遊離」より 著者:中井正一
しつつあると伝えられている。それは敗戦再出発の歴史的瞬間にある日本民族にとって、寒心すべき事態であるといえよう。 何故、知識層が、政治より絶望し、遊離し、やが....
新疆所感」より 著者:日野強
ろうぎ)の一穴よりついえ、至堅の框木も一楔木の挿入より裂くるを思わば、いずくんぞ寒心せざるをえんや。事すでにここにいたらば、清国領土の保全を大方針とし、東亜振興....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
まだ一点の疑いあるを免れず。いやしくもこの国に生まれて日本人の名ある者は、これに寒心せざるを得んや。今わが輩もこの国に生まれて日本人の名あり、すでにその名あれば....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
は現に一句も無之候。この分にてはやがて鳴雪老人の跡釜を引き受くることならんと少々寒心の体に有之候。 子規子病気は如何に御座候や、その後これも久しく消息を絶し居....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
せんには、情を知らざる第三者は、必ずこれをもってかえって剽竊なりとなすべきなり。寒心せざるべからず。 余のはじめ本書を見るや、往々にして余がいまだ世間に公表せ....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
。 これと同時に驟雨、滝の如くに降り諸所の火焔を鎮滅したり。 この後の成り行きは寒心すべきものありと雖も、兎に角、この風とこの雨と微りせば、物は火炎の中に灰燼し....
「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
偽漢ではない。しかし夷地に入り込んで利益を求めようとする程のものにはこれが多い。寒心すべき事だ。マット狢の語を聞いて、感慨ことに深からざるをえぬ。 案ずるに我....
個性」より 著者:北大路魯山人
、わたしは子供たちの目からは学校の先生に見えるのですね」 わたしは感心したり、寒心したりした。先生、という型にはまりこんでしまったひとを、わたしは立派だと思っ....
」より 著者:中谷宇吉郎
て、各※の国が鎖国的態度を取ろうとしていることは、科学の進歩という点からいえば、寒心に堪えぬ次第である。 七 雪とは一体何であるか。それは簡単にいえば水が氷の....