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「寒気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
った後、鰻を菜に飯を食うさえ、無上の快に数えているではないか? 且《かつ》又水や寒気などにも肉体的享楽の存することは寒中水泳の示すところである。なおこの間の消息....
或る女」より 著者:有島武郎
吸い付けられたように、両足は固く重くなって一|寸《すん》も動きそうにはなかった。寒気のために感覚の痲痺《まひ》しかかった膝《ひざ》の関節はしいて曲げようとすると....
或る女」より 著者:有島武郎
りびりするような夜寒《よさむ》に惜しげもなく伝法《でんぽう》にさらして、さすがに寒気《かんき》に足を早めながら、招《よ》ばれた所に繰り出して行くその様子が、まざ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
(四) 春の天気の順当であったのに反して、その年は六月の初めから寒気と淫雨《いんう》とが北海道を襲って来た。旱魃《かんばつ》に饑饉《ききん》なし....
星座」より 著者:有島武郎
上った。 「便所か」 と人見も同時に立ってきた。廊下に出るときゅうに刺すような寒気が襲ってきた。婆やまでが心配そうにして介抱しに来た。渡瀬は用を足しながら、 ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
例の通りで、庭へ入ると、母様は風邪が長引いたので、もう大概は快いが、まだちっと寒気がする肩つきで、寝着の上に、縞の羽織を羽織って、珍らしい櫛巻で、面窶れがした....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の船は艪にあやつられて、横波を食いながらしぶしぶ進んで行く。ざぶり‥‥ざぶり‥‥寒気のために比重の高くなった海の水は、凍りかかった油のような重さで、物すごいイン....
海異記」より 著者:泉鏡花
ものを見て逃げたな。と艫で爺さまがいわっしゃるとの、馬鹿いわっしゃい、ほんとうに寒気がするだッて、千太は天窓から褞袍被ってころげた達磨よ。 ホイ、ア、ホイ、と....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
お嬢さんは、上気した。 処へ、竹如意と、白髑髏である。 お嬢さんはまた少し寒気がした。 横笛だけは、お嬢さんを三人で包んで立った時、焦茶の中折帽を真俯向....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。そういえば、顔の色もよくないようですよ。」 「そうでしょう、悚然として、未だに寒気がしますもの。」 と肩を窄めて俯向いた、海水帽も前下り、頸白く悄れて連立つ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いつくして、昼尚お暗い、とてもものすごい所へさしかかりました。私はますます全身に寒気を感じ、心の中では逃げて帰りたい位に思いましたが、それでもお爺さんが一|向平....
親ごころ」より 著者:秋田滋
へ出かけて行って、新たにできた友達の代りをつとめた。冬が来た。その冬はまた馬鹿に寒気がきびしかった。浄めのお水をかけることを稼業にしている老人は、可哀そうに、死....
註文帳」より 著者:泉鏡花
うにするトタンに、かちりと音して、爪先へ冷りと中り、総身に針を刺されたように慄と寒気を覚えたのを、と見ると一|挺の剃刀であった。 「まあ、恐いことねえ。」 な....
活人形」より 著者:泉鏡花
口さえもよう利かれず。早|夜は更けて、夏とはいえど、風|冷々と身に染みて、戦慄と寒気のさすほどに、酔さえ醒めて茫然と金時は破垣に依懸り、眠気つきたる身体の重量に....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
会戦を求めんとせば適切なる陣地を占めてこれを回避する。大王は食糧欠乏、患者続出、寒気加わり、遂に大なる危険を冒しつつ、シュレージエンに退却の余儀なきに至った。ト....