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寒流
「寒流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
飯を済ます、準備《したく》も整って出かけると、雨になった。
宿の前には、梓川の
寒流が走っている、この川は、北から出て、西へと迂回し、槍ヶ岳、穂高山、焼岳などの....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
ほども突き出した岩鼻で、その沖合には悪性の暗礁が多く、三陸沿海を南下してくる千島
寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上する暖流の一支脈と正面衝突をし、猛悪な底流れ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
めた。彼らの郷里にも雪はあった。しかしこの地の雪には棘《とげ》があり針があった。
寒流に乗って北から運ばれ、何カ月も何カ月も地表は凍えていた。濶《ひろ》い雪の曠野....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
図們江、沿海州、樺太、千島、オホーツク海、白令海、アリュウシャン群島に到る暖流、
寒流の温度百余個所をノート無しでスラスラと列挙し、そこに浮游する褐藻、緑藻の分布....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
ろな方向からいろいろな温度塩分ガス成分を運搬して沿岸を環流しながら相錯雑する暖流
寒流の賜物である。これらの海流はこのごとく海の幸をもたらすと同時にまたわが国の気....
「作家と時代意識」より 著者:宮本百合子
らわれるそれ等の現象の底まで身を沈めて、日本のその時代を一貫する流のなかにあった
寒流・暖流の交錯の悲劇にまでふれようと試みたのであったと考えられる。時代への意識....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
暖の二つがある、暖流の流れに沿うている地方は、緯度は遠くともかえってあたたかに、
寒流の流れを浴びているところは、緯度は近くとも、気候が寒いというわけです。ですか....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あの雨つづきは、暖流異変というのだったのよ、御存じ? いつまでも暖流が流れて来て
寒流が来られないでいたんですって。だもんだから秋刀魚も、乗って来る潮が停頓してし....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
つづけているうち、次第に南海の方へ進んでいるようだ。北洋で見うけた、氷の砕片や、
寒流特有の海の色は、いつか消えて、暖かい風が甲板を吹いていたが、このごろでは、む....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
ものである。もう一つ霧で有名なのはニューファウンドランド島の近海で、ここは暖流と
寒流の出会うために春から夏へかけては霧が深くて航海が危険である。三十七、八年の戦....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
って生活を左右されているのである。 ここ二年ほどイワシがまるでとれなくなった。
寒流異変によるのだそうだ。イワシがとれないと三陸の漁港はみんな参ってしまうらしい....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
しのような花を咲かせていた。 戦争に敗ける年というのはさすがにちがったもので、
寒流がどうとかこうとかして季節が一と月ほど延着しているということだったが、四月に....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
天にも曇天にも、風が吹こうが雪が降ろうが、私はいつも此の通りに立っている。或時は
寒流から押しよせて来る濃霧のために、眼前|咫尺を弁じない事もあるが、今日のように....
「鱒の卵」より 著者:佐藤垢石
を現わさぬことになった。これも私ら釣り人にはさびしい想い出である。 海の鱒は、
寒流に乗って北洋から回遊してきた。そして、太平洋側では北海道の諸川、陸中の閉伊川....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
墨蹟らしい物をあげてみると、 一 直指人心(四字) 大字横幅 一 戦気・
寒流帯月澄如鏡 一行、竪 一 春風桃李花開時 秋露梧桐葉落時 ....