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「寒烈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒烈の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
る詩の如き文学と、何故に結婚すべく必然されるかと言うことである。そもそもこうした寒烈の気温の中で、我々のあまりに情熱的な――あまりに人間的温熱感のありすぎる――....
パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
ュリは、反対に、凍結と冷血の恐るべき別世界で、地獄の中でも紅蓮大紅蓮と形容される寒烈の奈落の底のようなものだったに相違ない。 其処へ入って行くのに私たちはまず....
」より 著者:佐藤垢石
川釣りの方が面白いという。鮎釣り、山女魚釣り、はや釣りの方に面白味を持つという。寒烈、指の先が落ちさるような正月のある日、茨城県稲藪郡平田の新利根川へ寒鮒釣りに....
三国志」より 著者:吉川英治
泗水の流れはまだ凍るほどにも至らないが、草木は枯れつくし、満目|蕭条として、寒烈肌身に沁みてくる。 呂布は、城をめぐる泗水の流れに、逆茂木を引かせ、武具兵....
私本太平記」より 著者:吉川英治
のだ。侍者たちはぜひなく囲いの次の部屋で、白い息を凍らせながら手を揉み揉みじッと寒烈に耐えている。 が、帝の方はどうお凌ぎかとみれば、そこのお囲いには、板壁の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
されてきたのはもう夕がただった。暗い冬ざれの庭に大かがりがドカドカ焚かれ、宮は、寒烈もいとわず床几へかかる。そして直々、訴人を見た。 昼、すでにこの者の口上は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
海の征途にあった。――濃尾のあいだでは一矢も錦旗に抗ってくるものはなく、十一月の寒烈はかぶとの眉びさしに霰を打ち、弓手も凍るばかりだったが、彼の頬にはたえず自負....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「地の巻」と書き起し、以下五巻の長文にわたっている。時刻は、寅の一点とあるから、寒烈な冬十月十日の、明けの七刻(午前四時)に、暁起して、机にむかったものである。....