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「寒稽古〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒稽古の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
追憶」より 著者:芥川竜之介
柔術 僕は中学で柔術を習った。それからまた浜町河岸の大竹という道場へもやはり寒稽古などに通ったものである。中学で習った柔術は何流だったか覚えていない。が、大....
自叙伝」より 著者:大杉栄
午後と夜と代る代るあったのだが、僕はほとんど一日も欠かしたことがなかった。ことに寒稽古には三尺も積った雪の中で乱どりをやった。成績も非常によかった。そして一年半....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
リの音までも手に取るように響いて来たものであります。 「あの連中は根気はいいな、寒稽古といって夜徹《よどお》しやっていることがある。太鼓を叩いて笛を吹いて、馬鹿....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ゆる夕べの火の見などに出て、温めねば鼓さえ凍るほどなを、手に覚えのなくなるまでも寒稽古励んで腕を研き、互いに名人の域に達せねば止まじと振舞うたので、この道の達者....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りに、 「修行盛りの若い時分には……」 吉原に流連《いつづけ》していても、朝の寒稽古にはおくれたためしがない。遊女屋の温かい蒲団《ふとん》から、道場の凍った板....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、おれに無礼をする者はなくなったよ。 柔術の稽古場で、みんながおれを憎がって、寒稽古の夜つぶしということをする日、師匠から許しが出て、出席の者が食い物をてんで....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
らい、時々は休む。同等の者が互角試合というをやる事もある。 やがて寒に入って、寒稽古が始まった。面小手腹当竹刀の外に大きな薪を一本ぶら提げ、朝の弁当も持って、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
生大書の額となってあがっている月輪の道場である。 夜のひき明け……。 もはや寒稽古は終わったけれど、未明の冷気の熱汗をほとばせる爽快《そうかい》味はえもいわ....
安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
が樋口道場の鏡開きで、門弟すべて参集し、また客を招いて型を披露するという。つまり寒稽古の始まる日だ。その終るのが三月十七日で、まる二ヵ月の長い寒稽古だが、昔から....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
くはなく、自転車も初めたばかりだ。しかし私は熱心に柔道を稽古した。そしてその冬の寒稽古には、未明に起きて雪の積んだ二十丁の道を毎朝道場に通った。精勤の結果技も進....
山の声」より 著者:宮城道雄
考え事をする時は、余り沢山食べないように加減している。 これからまた、冬には、寒稽古といって、千遍弾きということをやる。それは同じ曲を何日もかかって弾くのであ....
私の若い頃」より 著者:宮城道雄
なことに、お腹がすいてくると頭がさえて、忘れたのもつい想い出すのである。 また寒稽古といって、寒中に戸障子を明け放して、寒い方へ向って習った中の一番むずかしい....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かった。 夜もその木剣を抱いて寝た。木剣の冷たい肌を頬に当てると、幼年のころ、寒稽古の床で、父の無二斎からうけた烈しい気魄が、血のなかに甦ってくる。 その父....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「オオ、そのように、おきびしいのか」 「それくらいはまだ、なんでもありません。寒稽古には、霜夜の庭の素むしろに坐らされて、喉も破れ、凍えた指は、琵琶の糸に、血....