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寒紅
「寒紅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒紅の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
胸に臨めるナイフにも眼《まなこ》を塞《ふさ》がんとはなさざりき。 と見れば雪の
寒紅梅、血汐《ちしお》は胸よりつと流れて、さと白衣《びゃくえ》を染むるとともに、....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
違棚の高岡塗は沈んだ小豆色《あずきいろ》に古木《こぼく》の幹を青く盛り上げて、
寒紅梅《かんこうばい》の数点を螺鈿擬《らでんまがい》に錬《ね》り出した。裏は黒地....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
左右は花壇である。早春の花が咲いている。縞水仙の黄金色の花、迎春花の紫の花、椿、
寒紅梅、ガラントウス、ところどころに灌木がある。白梅が枝を突っ張っている。貝のよ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ものは、紅のついたる火吹き竹――なるほど、この火ふき竹にも、吹き口にはお藤姐御の
寒紅《かんべに》がほんのりついていますけれど、うらむらくはこの左膳との生活に、そ....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
色彩らぬつかね髪の年増女。之等の句ただ顔面のみを極力描き出している。 笑みとけて
寒紅つきし前歯かな 久女 鬢かくや春眠さめし眉重く 同
寒紅の句は女性....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
いかがでござる」「いやはや芋類はいけませんな」「万両、まんさく、水仙花、梅に椿に
寒紅梅か、春先の花はようござるな」「そのうち桜が咲き出します」「世間が陽気になり....
「春の雁」より 著者:吉川英治
は魅惑がある。二十三、四というところであろう。痩せがたで、抜けるほど白い襟足が、
寒紅梅につもった雪を連想させる。 「――あの人が無事でいたら、わたしもどんな工面....