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寒苦
「寒苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
子供でも婦女《おんな》でも老人でも、やがて来る春を待侘びていないものは無かった。
寒苦、
寒苦――この避け難い戦争の悩みの中で、世界の苦の中で、草木の再生がやがて自....
「運命」より 著者:幸田露伴
隆師を出して之を救わんとすれば、燕王は速く居庸関より入りて北平に還り、景隆の軍、
寒苦に悩み、奔命に疲れて、戦わずして自ら敗る。二月、韃靼の兵|来りて燕を助く。蓋....
「李陵」より 著者:中島敦
自らにそれは「やむを得ぬのだ」という考えかたを許そうとしないのである。 飢餓も
寒苦も孤独の苦しみも、祖国の冷淡も、己の苦節がついに何人《なんぴと》にも知られな....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ている。人間はそれぞれの明白な心の目標があって、それに向かわんために充分納得して
寒苦と戦っているが、犬はなんのためだか、ちっともわからないで、ただたよる主人の向....
「雪の障子」より 著者:島崎藤村
ているというのも、雪中の動きからだ。眼に入る冬の牡丹花に千鳥の啼き声をききつけ、
寒苦の思いを雪のほととぎすにまで持って行った古人の想像は、やはりこの消息を語って....